広報・PR効果測定ツールは、WebサイトやSNS、新聞・雑誌・テレビ・ラジオなどの媒体データベースを介して、広報施策の成果指標となるデータを収集・追跡するツールです。クリッピングからWebメディアのモニタリング、リアルタイムのレポーティングまで自動化でき、広報・PR活動の業務効率を改善します。
調査対象媒体や収集情報、データ分析手法はサービスベンダーによって異なりますが、主に、下記のような機能を備えていることが多いです。
- 条件にマッチする記事のクリッピング
- TwitterやFacebookなどのSNS波及数の取得
- 掲載元の判別(プレスリリース原文転載、パブリシティからの転載など)
- 競合他社や競合サービスのモニタリング
- データ分析・レポーティング
以下、PR効果測定ツールについて、それぞれの特徴や機能、料金プランを紹介します。製品の選定に際して、基本概要や導入メリットなどの詳細を確認したい方は、選定ガイドをご参照ください。
本記事では、広報・PR効果測定ツールについて、その役割や導入メリットを紹介しています。
広報・PR効果測定ツールとは
広報・PR効果測定ツールとは、その名の通り、広報活動やPR活動がもたらす影響・効果を定量的に測定するツールです。
主に、下記のような機能を備えています。
- 条件にマッチする記事のクリッピング
- TwitterやFacebookなどのSNS波及数の取得
- 掲載元の判別(プレスリリース原文転載、パブリシティからの転載など)
- 競合他社や競合サービスのモニタリング
- データ分析・レポーティング
広報・PRにおける効果測定プロセスの多くを自動化し、情報収集の効率化を図ることができます。
PR活動とは?広報との違い
PR活動(パブリック・リレーションズ)とは、ステークホルダーと信頼関係を築くためのコミュニケーション活動全般を指します。企業にとってのステークホルダーは、株主、従業員、取引先、メディア、地域社会など、また活動を通じて将来的に株主や顧客となりうる人も含まれます。
PR活動の内容は企業によって異なりますが、一般的には以下のような業務が挙げられます。
- プレスリリースの制作・配信
- 経営方針・事業戦略の通達
- 取材の対応や原稿チェック
- 企業説明会などのイベントの企画・運営
- 社内報の作成
- SNSを通じた情報発信
- メディアや記者との意見交換
また、社内報や外部メディアへの情報提供など、相手との良好な関係を構築するための情報発信を行う「広報」もPR活動の一部だと言えます。両者の違いは、PRが企業とステークホルダーとの双方向の理解を目的としたコミュニケーションであるのに対し、広報は「企業からメディア」「事業責任者から従業員」といったように発信者からの一方向性を有する点です。
広報・PR効果測定の重要性
広報・PR活動(以下PR活動)は、ステークホルダーと信頼関係を深めるための“戦略的な”コミュニケーションです。経営課題の解決や企業理念の浸透に欠かせない事業戦略、あるいは経営そのものとも言われています。
PR活動を戦略的に展開していくには、ただ情報を収集して発信するだけでなく、まず自社から発信した情報がどこでどのように評価されているか、誰にどのような影響を与えているかを把握し、より良いPR活動に繋げなければなりません。PR活動に対する効果を定量的に評価し、活動にフィードバックして施策の方向性を確かめ、施策の改善を行うことが求められます。
またPR戦略の根幹にはマーケティング戦略や経営戦略の存在もあり、展開するPR活動は、プレスリリース配信と記事や動画などのデジタルコンテンツ、SNSなどと幅広く連動しています。全体にかかるコストから見て、PR活動がコストに見合うだけの成果を得られているかを計測することも重要です。PR活動の効果が定量的に示されていれば、予算検討の根拠ともなるでしょう。
広報・PRの効果測定における企業課題
これまで、効果測定の必要性を理解し、データの活用方法を検討していても、実際にPR活動の成果指標を定めて効果測定を行うのは難しいとされてきました。その要因として以下のような課題が挙げられます。
- PR活動における成果指標が不明瞭
- 広報・PRに活用するメディアの多様化
- 継続的なモニタリングの必要性
1. 広報・PR活動における成果指標が不明瞭
PR(パブリック・リレーションズ)とは、ステークホルダーと信頼関係を築くための手法や概念を表すものです。そのため、PR活動の範囲は幅広く、企業によって見るべき成果指標が異なり、またこれといった正解はありません。
情報をどれだけ露出したのか、その活動にどれほどのコストがかかったかというアウトプットは、たとえば企業への問い合わせ数、商品・サービスの売上、コーポレートサイトへの訪問数、求人応募数、従業員満足度指数などのアウトカム(得られる効果)に変わっていきます。
しかしながら、上記のようなアウトカムは、広報部の情報発信のほか、営業・マーケティング、カスタマーサポートの活動などさまざまな要素が絡んだ結果であり、PR活動の成果のみを抽出できるものではありません。言い換えると、PR活動は経営に関わる全てのアウトカムに、大小はあるものの何らかの影響を与えているとも言えます。
このような仕組みから、企業は、全ての成果を正確に評価することがほぼ不可能であることを前提として、PRの成果指標を独自で定めなければなりません。したがって、効果測定以前に「何のためにPR活動を行なっているか」という目的の明確化が求められます。その目的に合わせた施策立案や成果指標設定の必要性は言うまでもありません。
2. Webメディアの多様化と膨大な情報量
従来からのパブリシティーやアナリストレポートのほか、口コミサイト、ニュースサイト、情報波及の影響が大きいTwitterやFacebookなどのSNSなど、企業がモニタリングすべきメディアは広がりを見せています。
特に、WebサイトやソーシャルメディアなどのWeb上では、情報の流通速度が速く、蓄積されている情報量も膨大です。もちろん世の中に流通しているすべての情報を処理することは不可能ですが、たとえウォッチするメディアや発信情報の種類を絞ったとしても同じことでしょう。
それぞれ特性の異なるメディアにおけるPR施策の効果を統一して評価することは難しく、そもそも膨大なメディアに対応するリソースがないことに苦悩する企業が多いのが現状です。
3. 継続的なモニタリングの必要性
PR効果測定を正確に行うには、施策の実施前後での変化を捉えようとすると、いつどこで露出があってもカバーできるモニタリング体制が必要になります。情報発信後におおよその露出時期は予測できても、どの日の何時にパブリシティーやニュース記事が掲載されるかは媒体元の判断で決まったり、突然SNSでクチコミが発生したりすることもあるでしょう。
とは言え、広報・PR担当者が1日中メディアの動向を見張るのは現実的ではありません。また、コミュニケーション戦略の立案や施策の実施など、広報・PRのコア業務を疎かにしてまで効果測定を行ったり、そのためのデータ収集そのものに時間をかけすぎたりしては本末転倒です。
広報・PR効果測定ツールの導入メリット
以上のPR効果測定における課題解消の一助となるのが「広報・PR効果測定ツール」です。以下のような導入メリットがあります。
- 効果測定に必要な情報収集の漏れを最小化できる
- 定量的なデータに基づくPR活動を実施できる
- 効果測定の自動化により戦略や企画に時間を費やせる
1. 効果測定に必要な情報収集の漏れを最小化できる
広報・PR効果測定ツールでは、サービスベンダーが保有する媒体データベースを介して、設定したキーワードに関する記事が自動的にストックされていきます。
成果指標となるデータ(記事のリーチ数、掲載数、ページビュー、SNS波及数、露出経路、記事の増加スピードなど)を収集し、集計結果はグラフなどの見やすい形式でリアルタイム表示できるため、目的記事の露出状況がひと目で把握可能です。
モニタリング対象となるメディアの種類や数、クリッピング精度はサービスベンダーによって異なり、全てを拾いきるのは難しいかもしれませんが、「検索をかけて目に留まったものをまとめる」手作業よりも遥かに広範囲かつ多くのデータ収集を行うことができます。
また担当者が目視で行わず、条件指定によってシステマチックに記事を抽出していくことにより、客観的かつ信頼性のある効果測定を実施できることもツール活用のメリットです。
2. 定量的なデータに基づくPR活動を実施できる
広報・PR効果測定ツールでは、サービスベンダー独自のデータ分析手法やスコアリングにより、PR活動の効果を継続的にかつ定量的に評価することができます。
効果検証の際に手打ちでサーチする場合、たとえばプレスリリースを配信した際には、反響や情報拡散の様子を感覚的に捉えて成功か失敗かの区別を付けることはできます。しかし調査時点しか数値をプロットするだけでは、どの露出経路からいつのタイミングで拡散が加速したのかは把握できません。
またWebメディアやSNS上で拡散が起こるほど蓄積される情報量は膨れ上がり、最終的にどこまで拡がって何人にリーチしたのかの正確な数値を追えなくなります。
広報・PR効果測定ツールを活用することで、あるPR施策がどれほど貢献したのか定量的なフィードバックができれば、施策の方向性確認や改善に活かすことができます。また経営層に対して数的根拠のある結果を報告することができ、次期予算検討の意思決定にも役立つでしょう。
3. 効果測定の自動化により戦略や企画に時間を費やせる
広報・PR効果測定ツールの多くは、国内外の主要メディアを常時モニタリングし、記事クリッピングやデータ集計を自動で行なってくれます。
毎朝のクリッピング業務、口コミ調査、データ集計や各種レポーティングなど、広報・PRには煩雑なルーティンワークが付き物ですが、これらを広報・PR効果測定ツールで自動化し、効果測定プロセスの人的工数を大幅に削減することが可能です。
広報・PR担当者の業務負荷を軽減し、空いたリソースを施策の立案や結果分析など、思考が必要とされる生産的な業務に充てることもできるでしょう。
広報・PR効果測定ツールの比較・選定ポイント
広報・PR効果測定ツールを比較・選定する際のポイントは下記2点です。
- 対象媒体
- サポート体制
1. 対象媒体
広報・PR効果測定ツールの比較検討を行う上で、まず最初にチェックしておくべきは、モニタリング対象となる媒体の種類や数です。
情報収集や効果測定の対象となる媒体は、テレビ・新聞・雑誌、WebメディアやSNSなどがありますが、サービスによって主軸となる媒体の種類が異なります。
さまざまな媒体を対象に包括的な効果測定を行えるサービスもあれば、Webメディア特化でその網羅性を強みとするものもあり、自社の業界特性や広報施策に応じた調査対象とする媒体をカバーできているかが判断基準となるでしょう。
2. サポート体制
多くの広報・PR効果測定ツールベンダーには、広報・PRの経験や支援実績を持つコンサルタントが在籍しており、ツールの導入・運用サポートをはじめ、成果指標の設計や効果測定のアドバイス、広報担当者向けのセミナーなどを提供していることもあります。
また、SNSのモニタリングやプロジェクト管理、分析レポート作成など、効果測定業務の一部を委託できるサービスもあり、調査会社への依頼よりもコストを抑えながら、さらなる業務効率化を図ることも可能です。
ただし、サポートやコンサルティングの内容は一律ではないため、どのような支援をどの範囲まで依頼できるのか、オプション料金がかかるのかなどを事前に確認しておきましょう。
