編集部が解説!OneTrustの特長と評判、利用イメージ
OneTrustを検討している方の中には「OneTrustの基本的な情報やスペックはわかったけれど、もっとわかりやすい評価が知りたい」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
OneTrustは、Cookieツール導入・運用に関する知見を基にした導入マニュアルや運用ガイドを無料公開している同意管理プラットフォーム(CMP)です。コンプライアンスとITの両面に対応した運用が可能になるため、初めてCMPの利用を検討されている方や、ITに詳しくない方にもおすすめです。
世界的にプライバシー情報保護に関する法規制が厳重になっている中、多くの企業が改めて個人情報の取り扱いを重要視しています。個人情報をより適切に守っていくための同意管理プラットフォームを導入したいと考える方も多いことでしょう。
そこで本記事では、同意管理プラットフォーム「OneTrust」の特長・評判をミナオシ編集部が本音で解説します。
1分でわかるOneTrustとは
OneTrustは、株式会社インターネットイニシアティブが提供する同意管理プラットフォームです。多くの実績で得たCookieツール導入・運用に関する知見を基にした導入マニュアルや運用ガイドをポータルサイトで無料で参照できるため、コンプライアンスとITの両方へ対応した導入ができます。
OneTrustの機能・サービス面での強みは以下の通りです。
OneTrustの機能的特長 | 機能を通して可能なこと |
自動検知・分類 | Webサイトで使用されているCookieや、使用されているトラッキング技術を自動検出 |
バナー作成・カスタマイズ | Cookie同意管理バナーと同意画面を理想のイメージに作成可能 直感的な操作でカスタマイズできる |
各国の法規制に対応 | 100ヵ国以上の言語に対応 GDPR・CCPAに対応したテンプレートが利用可能 |
自動化で工数削減 | バナー実装のためのスクリプトを自動生成が可能なため工数削減に繋がる |
1ドメイン月額6,300円(税別)から契約可能で、日本語での導入マニュアルも備えています。
本記事で解説するOneTrustのメリット・改善してほしい点、このような企業におすすめというポイントは以下の通りです。
- メリット1:セキュリティ強化とCookie同意情報の一括管理ができる
- メリット2:Cookie規制やプライバシー保護などの法改正にもリアルタイムで対応
- 改善してほしいポイント:ドメインをまたぐ際はページごとの設定が必要
- 初めて同意管理ツールを検討している企業
- 効率よくアナリティクスデータを収集したい企業
- 個人情報の取り扱いに不安がある企業
OneTrustの仕組み・利用イメージ
OneTrustを実際に利用するイメージや、どのような仕組みのサービスかを見てみましょう。
ユーザーがウェブサイトに訪問した際、同意バナー上でCookie取得と利用の同意を行います。OneTrustのCookieデータベース(Cookiepedia)と照合され、自動で分類されます。Cookiepediaは世界最大規模のデータベースで、自動検知・分類を行うことにより同意管理の工数を大幅に削減可能です。
Webサイトを利用するユーザーの同意前にCookieの取得を防ぐ「ゼロクッキーロード」により、セキュリティの強化も期待できます。さらに、個人情報を同意なしに利用する状況を回避することも可能です。
またバナー実装のためのスクリプトも自動生成できるため、業務の効率化へ繋がります。ユーザーの同意記録の管理も同時に行い、より成果の高いWebコンテンツの提供・マーケティング戦略を立てることが可能です。
OneTrustの機能一覧
本章では、OneTrustの主な機能やスペックを一覧でご紹介します。
主な機能やスペック | できること |
同意バナー | ツールの利用目的ごとに、ユーザーから同意を取得する |
Cookie自動検知・分類 | 使用されているCookie・トラッキング技術を自動で検出 |
バナーの作成・カスタマイズ | Cookie同意管理バナーや同意画面を作成 |
改正個人情報保護法対応 | Cookie以外の経路で個人関連情報を取得する場合も制御可能 |
GDPR・CCPA対応 | ・GDPR・CCPA対応の各種テンプレートあり ・100ヵ国以上の言語に対応 |
スクリプトの自動化 | バナー実装のためのスクリプトを自動生成 |
基本的なCookie同意管理バナーの作成や同意設定管理画面の作成はもちろん、最新のWebサイトスキャンデータを元に、詳細なCookieのリストを自動で作成します。
作成されたCookieリストはプライバシーポリシーページへ埋め込むことができるため、管理者の工数削減も期待できます。
ミナオシ編集部が読み解く、OneTrustのメリット・改善してほしいポイント
ミナオシ編集部でOneTrustの製品の特長や機能を調査・分析したところ、メリットや改善して欲しいポイントが見えてきました。
- メリット1:セキュリティ強化とCookie同意情報の一括管理ができる
- メリット2:Cookie規制やプライバシー保護などの法改正にもリアルタイムで対応
- 改善して欲しいポイント:ドメインをまたぐ際はページごとの設定が必要である
メリット1:セキュリティ強化とCookie同意情報の一括管理ができる
一つ目のメリットは、セキュリティ強化とCookie同意情報の一括管理ができることです。
Webにアクセスするユーザー情報を獲得して新たなマーケティング活動を検討している企業は多いものですが、セキュリティ面で不安を覚える企業も少なくありません。
OneTrustを導入することで、アクセスデータの管理、個人情報の安全性確保が同時に可能となります。
メリット2:Cookie規制やプライバシー保護などの法改正にもリアルタイムで対応
二つ目のメリットは、Cookie規制やプライバシー保護などの法改正にもリアルタイムで対応できることです。
「法改正の度に、これまで使っていた従来のテンプレートを改変するのが業務上負担である」といった企業が多い中で、法改正へリアルタイムに対応しているのがOneTrustの強みです。
ページ閲覧者のアクセス元IPアドレスを検知して、GDPR・CCPA等の法規制毎の適切なテンプレートを表示するため、管理者の工数削減が期待できます。
改善して欲しいポイント:ドメインをまたぐ際はページごとの設定が必要
改善してほしいポイントは、ドメインをまたぐ際はページごとに設定が必要であることです。
ドメイン別にバナーを設置したい場合は顧客側の作業が必須になってしまいますが、OneTrustは実装サポートのオプションも備えているため、迅速な導入を希望する方は検討しても良いでしょう。
OneTrustとよく比較される類似サービス
ここまでOneTrustの機能やメリットや改善してほしいポイントを見てきましたが、同意管理プラットフォームはOneTrustだけでなく、各社から提供されています。
では、それぞれのツールにどのような違いがあるのでしょうか。OneTrustとよく比較されるサービスの特長と費用、基本的な機能を比較してみました。
サービス名 | 生産国 | 初期費用 | 月額料金 | 基本的な機能 |
OneTrust | アメリカ | 無料 | 57,600円/年額 | ・同意設定ページ管理 ・同意記録管理 ・GDPR対応 ・CCPA対応 ・個人情報保護法対応 ・レスポンシブ対応 ・サイトスキャンで各国別ポリシー自動生成 |
Sourcepoint | アメリカ | 問い合わせ | 問い合わせ | ・同意設定ページ管理 ・同意記録管理 ・GDPR対応 ・CCPA対応 ・個人情報保護法対応 ・サイトスキャンで各国別ポリシー自動生成 ・CRM連携 ・API連携 |
webtru | 日本 | 無料 | 0円 5,500円~ 11,000円~ | ・同意設定ページ管理 ・同意記録管理 ・GDPR対応 ・CCPA対応 ・個人情報保護法対応 ・CRM連携 ・API連携 |
dooi | 日本 | 問い合わせ | 問い合わせ | ・同意設定ページ管理 ・同意記録管理 ・個人情報保護法対応 ・API連携 |
Trust 360 | 日本 | 10万円 | 50,000円~ | ・同意設定ページ管理 ・同意記録管理 ・GDPR対応 ・CCPA対応 ・個人情報保護法対応 ・レスポンシブ対応 ・サイトスキャンで各国別ポリシー自動生成 ・CRM連携 ・API連携 |
料金、基本的な機能を比較したところ、初期費用を無料でサービス提供しているのはOneTrustとwebtruだけでした。
特にOneTrustは初期費用無料に加えて、月額にすると1ドメイン6,300円(税別)でコストパフォーマンスが良く導入しやすいため、費用を重視する方には特におすすめです。
OneTrustの料金・費用
OneTrustの料金プランは単一で、非常にわかりやすくなっています。
初期費用 0円 | 現在のマーケティングツールの利用状況をもとに、カテゴリ分けとツール設定をしてもらえます。 |
月額費用 50,000円~/月額 | 1ドメインから契約可能です。 月間500万PVまで定額で、超過の場合別途見積となります。 |
月額費用は、サイトのPV数に応じた従量課金となっています。500万PVまでなら月額50,000円で利用でき、超過の場合は別途見積もりとなります。また、日本語での運用サポートやオプション追加の際も別途見積もりが必要のため、検討している方は注意しましょう。
OneTrust導入の流れ
OneTrustの導入の流れは以下4ステップになります。
- ヒアリング:サイト状況をヒアリングした上で見積り提示
- 契約:購入サイトから申し込み、購入完了メールを受信
- 実装:購入完了メール受信後、およそ5~10営業日に利用開始
- 利用開始:OneTrustの管理画面にてログイン、OneTrust同意管理バナーの作成可能
運用開始後は日本語の導入マニュアルと運用ガイドが無料で参照できるため、社内にWebの専門家がいる場合は迅速な実装が可能です。
OneTrustを導入した企業事例3選
本章では、OneTrust公式サイトで公開されている、導入企業の事例をご紹介します。
- 事例1「株式会社アイデム」
- 事例2「株式会社エポック」
- 事例3「三菱電機株式会社」
事例1「株式会社アイデム」
株式会社アイデムは、求人・就活サイトの運営や新卒から中途採用・外国人まで多岐にわたる人材のキャリア支援事業を行う企業です。「イーアイデム」「JOBRASS新卒紹介」など複数のサービスサイトを運営しています。
株式会社アイデムはOneTrust導入後、約40,000のサイトへ同意管理バナーを一斉導入。法律とは関係なく個人情報保護が遵守されたサービスであること、社会的責任を果たしていることのアピールに繋がりました。また、同業他社ではまだ同意管理バナーの実装ができていない企業も多く、差別化にも成功しました。
- 不正にCookie同意を得るWebサイトが社会的に問題になっており、安心して利用できるサイトを提供したかった
- Cookie同意管理バナーといった目に見える形式で情報開示を目指したい
- 約40,000の採用サイトへCookieバナーを一斉導入し、他社との差別化ができた
- 社会的責任のために個人情報保護への対策を取っていることがアピールできた
事例2「株式会社エポック社」
株式会社エポックは、昭和33年創業の玩具・ホビー・雑貨等を世界で販売展開する企業です。代表的な販売商品に世界70カ国以上で販売されている「シルバニアファミリー」があります。
株式会社エポックは特別サイトオープン時にOneTrustを一斉導入。実装サポートのオプションを付けたため、タイトなスケジュールでも納期に間に合い無事にサイトがオープンしました。
ユーザーには未成年も多くいるため、国によって本人同意ができる年齢が違う上、年齢同意のバナーも必要になります。OneTrustではCookie同意と年齢同意のバナーを同じ画面で実装できるため、機能的な評価が高かったようです。
- 世界の約70カ国・地域で様々な商品を提供しており、各国の法規制に遵守する必要があった
- 運用サポートによって、未発見のCookie挙動などを洗い出すことができ、運用の適正化が図れた
事例3「西日本旅客鉄道株式会社」
西日本旅客鉄道株式会社は、1987年創立の運輸業・流通業を行う日本を代表する鉄道会社です。グループ会社だけでも150社あり、鉄道事業以外にも物販飲食や不動産・ホテル事業も幅広く手掛けています。
- 顧客データを経営資源として利活用したいが、プライバシー保護の対応を見直す必要があった
- 運用サポートによって、迅速に導入・運用開始できた
- 専門性のある運用サポート担当により、安心して導入・運用を任せることができた
まとめ|OneTrustの強みは、手厚い無料の運用マニュアルと実装サポート
OneTrustの機能やメリット・改善してほしいポイント、料金プランについて解説しました。改めて本記事の結論をまとめてみましょう。
- メリット1:セキュリティ強化とCookie同意情報の一括管理ができる
- メリット2:Cookie規制やプライバシー保護などの法改正にもリアルタイムで対応
- 改善して欲しいポイント:ドメインをまたぐ際はページごとの設定が必要である
以上の内容から、OneTrustはこのような企業におすすめです。
- 初めて同意管理ツールを検討している企業
- 効率よくアナリティクスデータを収集したい企業
- 個人情報の取り扱いに不安がある企業
OneTrustを含む同意管理プラットフォームを検討する際に、お役立てください。