データ連携(ETL)ツールおすすめ5選比較|種類や機能、選び方を解説

データ連携ツールは、データ連携の仕組みづくりをサポートし、複数の業務システムやアプリケーション内にあるフォーマットや文字コードの異なるデータを一元的に管理・活用できるようにするツールです。

しかし、ひとくちにデータ連携と言っても、その用途やソリューションは幅広く、数多くリリースされているツールもまたそれぞれ得意領域があるため、データ連携の目的に沿ったツールを探し出さなければなりません。

本記事では、データ連携ツールについて、その特徴や具体的な使われ方をはじめ、導入検討の手だ助となる比較ポイントを解説します。おすすめのツールもご紹介しますので、データ連携・システム連携による業務プロセスの見直しや効率改善を考えている方はぜひご覧ください。

データ連携ツールの選び方・比較ポイント

以下、データ連携ツールの導入検討を行ううえで押さえておきたいポイントです。

  1. データ接続先(アダプター/コネクタ)
  2. データの処理性能
  3. 操作性・メンテナンス性

1. データ接続先(アダプター/コネクタ)

データ連携ツールには、基幹システムやクラウドサービスとのデータ連携先(アダプター/コネクタ)があらかじめ準備されています。たとえば、「Asteria」では、kintoneやOffice365などのグループウェアのほか、Salesforce、Googleアナリティクス、Tableau、Twitter、Slackなど、さまざまな領域のアダプターを揃えており、続々と新規アダプターも開発中です。

データ形式や文字コードは、利用される国によって要件が大きく異なることがあり、海外製ツールは、日本ではメジャーなクラウドサービスが連携対象に入ってないこともあるので注意しましょう。

データベースやクラウドサービスとの連携をアダプターで対応できれば、より簡易で柔軟にデータ連携システムの構築を進められます。将来的なデータ接続先の拡張も見据えて、各製品のアダプターのラインナップを確認しておきましょう。

2. データの処理性能

データ処理性能が、自社で取り扱うデータ量や処理フローに適していなければ、管理画面のインターフェースが重く業務に支障をきたしたり、データ処理が止まってしまうことがあります。

大量データの処理が得意なETLツールであっても、取り扱えるデータ規模には性能差があり、価格帯もまちまちのため、自社で扱うデータ規模に合わせたツールを選定しましょう。

3. 操作性・メンテナンス性

ノンプログラミングでデータ連携フローを構築できるものが多いですが、中でもデータを活用する現場の担当者が取り扱いやすいものが好ましいです。

変更が発生しやすいデータ連携処理において、都度エンジニアを間に挟まずに自力で処理を完了させることができれば、メンテナンス工数が削減され、データ連携処理のブラックボックス化を防ぐことができます。

まとめ:複数ツールの資料を確認し比較検討しましょう

上述の通り、導入の際に最も注意すべき点は、自社で運用可能かどうか、自社の課題を解決してくれるツールなのかという点です。

データ連携ツールはツール毎に多種多様な機能を持つため、選択するツールによって社内に必要な体制は異なるため、導入前に複数のツールを比較検討し、自社に合ったものを選ぶようにしましょう。

本記事内で紹介するおすすめツールもそれぞれに強みがあるので、自社の目的や予算に応じて最適なものを選択するためにぜひ参考にしてみてください。

データ連携ツールおすすめ5選の比較

以下、ノーコーディングでデータ連携フローを構築できるツールをご紹介します。

日本特有の商流や組織体制に合わせて設計されていること、初期設定や操作レクチャーなどの導入サポートを手厚く受けられることなどから、国内製ツールをピックアップしています。

ASTERIA Warp|15年連続市場シェアNo.1のデータ連携ツール

出典:Asteria Warp

ASTERIA Warpは、社内に散在するあらゆるデータや各種システム、クラウドサービス上のデータをノーコード開発で連携するツールです。9,500社以上の導入実績を誇り、国内企業データ連携ソフト市場で15年連続市場シェアNo.1※を達成しています。

※テクノ・システム・リサーチ「2021年ソフトウェアマーケティング総覧 EAI/ESB 市場編」より(参考

高性能なETL機能を持つEAIであり、RPAやExcel連携のほか、Microsoft Azure、AWSなど100種類以上のサービスと連携でき、ニーズに合わせて機能を追加可能です。またWeb APIが、複数のサーバーで構築されるシステム環境での監視・管理をサポートし、安定性のあるシステムを構築できます。

ASTERIA Warpを実際に利用した人の口コミ・評価

HULFT8|安全で確実なファイル連携ミドルウェア

出典:HULFT

HULFT8は、企業のITシステムに蓄積された売上データや顧客情報などのあらゆるデータ送受信を行うファイル連携ミドルウェアです。

UNIX、Linux、Windowsをはじめ、z/OSやMSP、VOSなどの各メインフレーム、i5/OSに代表されるミッドレンジコンピュータとのファイル連携を自動化し、企業内や企業間の各種業務アプリケーションとのシームレスなデータ連携を実現します。

HULFT8を実際に利用した人の口コミ・評価

ナオシ

krewData|kintoneアプリのさまざまな集計処理を自動実行

出典:krewData

krewDataは、kintoneを企業の情報共有基盤として活用するためのkintoneプラグインです。外部SaaSや基幹システム、Excel業務で発生するデータを連携し、在庫管理や予実管理、請求管理、工数集計など複数のkintoneアプリにまたがるデータを自動で集計・加工できるため、kintoneを利用した業務の幅が広がります。

設定した日時になったら集計処理が開始されるスケジュール実行、もしくはアプリ上での操作やアクション(レコード追加・更新時など)に応答するリアルタイム実行を選択でき、業務シーンにあわせたさまざまなタイミングで集計処理を自動実行できます。(※スケジュール実行とリアルタイム実行は異なるプランです。)

krewDataを実際に利用した人の口コミ・評価

DataSpider|プログラム開発と遜色ないデータ連携処理を簡単操作で

出典:DataSpider Servista

DataSpiderは、多種多様なシステム間のデータやアプリケーションを繋ぐデータ連携ツールです。複雑な処理でも専門的な知識やコーディングを必要とせず、Javaでの開発と遜色のない本格的な連携処理を実現します。

データの入出力から変換、加工まで、処理フローの作成は13個のアイコンを並べて繋ぐだけ。さらに、主要なデータベースやアプリケーション、大手クラウドサービスなど50種類以上の連携先に対応した接続アダプターが用意されています。

RACCOON|データ連携フローや定義を自動マッピングで簡単作成

出典:DAL

RACCOONは、企業内外に存在するシステムのデータを抽出・加工・変換し、他のシステムへ柔軟につなぐデータ連携ツールです。関数を知らなくとも直感的に操作できる豊富なアイコン群を用い、データの入力側と出力側をアイコンと線で結ぶだけで簡単にデータ変換を設計できます。

基本機能のDB連携とXML、CSVの連携アダプターのほか、Salesforceやkintone、@Tovasといった主要な社外クラウドの連携アダプター、電子メールやPDFなどの社内システムの連携アダプターが用意されており、柔軟な連携が可能です。

Reckoner|圧倒的な使いやすさを追求したノーコード型ETL

出典:Reckoner

Reckonerは、直感的なインターフェースのノーコード型ETLツールです。データの読み込みは、広告・SFA/MA・CRMなどさまざまなデータソース一覧からサービスを選択し、必要情報を入力するだけ。利用開始後すぐにデータ分析を実施できます。

また、画面上にリアルデータで変換や結合のプレビューを表示でき、常に、結果を確かめながらの操作が可能です。ワークフローの作成という直感的な操作でデータを変換/分析できます。

データ連携ツールの導入事例

データ連携ツールが実現するソリューションをもう少し具体的にイメージしやすいよう、実際の導入事例をいくつか見てみましょう。業種や部門、経営課題などによってデータ連携ツールの導入目的や活用シーンが異なります。

1. 海外会計ソフトとkintoneとの連携システムをエンジニア工数ゼロで開発

株式会社星野リゾートでは、リゾート運営の海外展開にあたり、グローバルなホテル会計基準(ユニフォームシステム)に対応するために米国の会計ソフトQuickBooksを導入。現地ホテルシステムおよびQuickBooksのマッピング情報をkintoneに保持し、Tableauで経営レポートの生成を行うこととしました。

そこで、それぞれのツール連携システムを「ASTERIA Warp Core」で開発。kintoneやTableauなどの各種アダプター、およびデータ処理や連携フローのテンプレートを活用することで、社内エンジニア工数を一切かけずに担当者が独力で連携システムを完成させています。

2. 独自開発ETLのリプレースで、店舗別売上データの連携時間を約40%削減

EC事業「au PAY マーケット」を運営するauコマース&ライフ株式会社では、独自開発のETLツールを利用して、前日の店舗別売上データをSalesforceに連携していましたが、同ツールには、「データ連携エラーが発生しやすく、リカバリーに毎度2~3時間が必要」「少しの変更でも開発の見積りと作業工数を要する」といった運用課題がありました。

同社は、頻繁な業務の滞りの解消を図るべく、既存システムの完全リプレースを決行。投資対効果のほか、以下の要件を満たすETLツール「Reckoner」を導入します。

  • クラウド型のデータ連携ツールであること
  • 開発知識がなくても連携フローを作成できること
  • 日次スケジュールで自動データ連携ができること

毎日4時間かかっていたデータ連携処理が2時間半で済むようになり、連携時間を大幅に圧縮することに成功。Reckonerへの移行後にエラーは発生していません。

また、委託開発への見積もり~発注~開発作業で数週間かかっていた処理変更も、自社の非エンジニア担当者で即座に作業が可能となり、保守費や開発費用、エラー発生時の人件費がゼロになったことで、年間100万円ものコスト削減効果もありました。

まとめ

基幹システムやファイルストレージに日々蓄積されていくデータは、企業競争に打ち勝つための武器であり企業の財産です。しかしながら、ほとんどの企業はその膨大なデータを活用しきれておらず、隔離されたデータベースや業務システム内に使われないままの有益データが多く眠っていることも珍しくありません。

データ連携ツールは、企業内のそういった潜在的なデータも含めて、散在したデータを整理整頓してくれます。社内の有益なデータを活用するためにも、ぜひデータ連携ツールの導入を検討してみてください。

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