給与前払いサービスは、従業員が働いた分の給与を、給料日前に必要なタイミングで受け取る「給与前払い制度」の運用を効率化するサービスです。実労働時間の計算・前払い金額の算出・振込・給与明細への反映などを自動化し、給与前払いにかかる業務工数を削減できます。
また、給与前払いが導入されることにより、採用応募数の増加と求人広告費の削減、従業員の企業に対する満足度の向上などの効果を期待できます。
以下、給与前払いサービスについて、それぞれの特徴や料金プランを紹介します。選定に際して、サービスの仕組みや導入メリット、選び方などの詳細を確認したい方は、選定ガイドをご一読ください。
本記事では、給与前払いの仕組みやサービスの導入メリットをわかりやすく解説しています。また、サービスの比較検討時に押さえておきたいポイントも紹介していますのでぜひご参照ください。
給与前払いサービスとは
給与前払いサービスは、従業員が働いた分の給与を、給料日前に必要なタイミングで受け取ることができるサービスです。 冠婚葬祭などの急な出費が発生した際にも、給与前払い制度があれば、従業員が安心や利便性を感じ、満足度や定着率の向上にも期待できるでしょう。
給与前払いサービスの仕組み
給与前払いサービスのタイプは、大きく立替型と預託型に分けられます。
立替型は、サービス会社が従業員への前払い金を立て替えるタイプで、従業員は引き出す際に、金額に応じてサービス利用料や振込み手数料を負担する仕組みです。企業側は前払い資金を準備する必要がなく、立て替えた分を指定日に一括で精算できるため、キャッシュフローが圧迫される心配がありません。
預託型は、サービス会社に資金を預託しておき、そこから前払いを行うタイプです。給与支払いの原則に則った運用で法的リスクを排除できるため、安全性を確保して利用ができます。中には、社内に設置した専用ATMから従業員が前払い金を引き出せるものもあり、この場合、前払いを社内で完結できるため、セキュリティ対策としても有効です。
給与前払いサービスの導入メリット
給与前払いサービスの導入によって企業が得られるメリットは以下の3点です。
- 求人票の訴求ポイント拡大による採用応募数の増加
- 従業員満足度の向上による離職率の低減
- 振込みや給与計算などの業務効率化
1. 採用応募数の増加
給与前払いサービスを導入することで、求人媒体で人気検索ワードである「日払い」「週払い」などの条件を求人広告に掲載できるようになり、サイト内で求人広告を見つけられることが増え、応募者数の増加に期待できます。
また、候補者に対する訴求ポイントが増えることで給与水準を無理に上げずに済み、また応募数が増加することで求人票の掲載数や広告費を削減できるなど、採用コストの削減にも繋がるでしょう。
2. 離職率の低減
冠婚葬祭や旅行、妊娠・出産などの急な出費が必要になった際に、即日で給与を受け取れる環境が整っていることは従業員にとって心強いでしょう。
給与前払いサービスの導入でそういった従業員のニーズ応えることができれば、企業に対しての満足度が向上し、離職率低下にも繋がります。
3. 振込や給与計算などの業務効率化
給与前払いサービスは、前払い金を考慮した給与計算や振込などの事務作業を自動化することができます。効率の良い給与前払い制度の運用を実現することで、人件費削減や業務負担軽減にもなり、そのぶん他の業務へリソースを充てることもできるでしょう。
通常、給与前払いを行う際は、前払いが可能な金額を実働時間から算出し、対象の金額を銀行口座へ振り込みます。また、給与明細への反映も必要です。従業員が多くさまざまなタイミングで給与前払いが発生すれば膨大な工数がかかります。
しかし、そういった煩雑な業務は、給与前払いサービスの提供会社に委託することが可能です。前払いに必要な業務工数を大幅に削減するほか、業務が自動化されることによって、前払い可能金額の誤算や給与明細への転記ミスといった人為的エラーもなくなります。
給与前払いサービスの選び方・比較ポイント
給与前払いサービスを比較する際のポイントは下記4点です。
- 手数料の負担
- 操作性・利便性
- 外部ツールとの連携
- 対応している銀行口座
1. 手数料の負担
給与前払いサービスの比較・検討を行う際は、企業側が負担する導入・運用にかかる費用のほか、従業員の負担金額も考慮しましょう。あまりにも従業員側の負担が大きいと、サービス利用率が低下することも考えられます。
サービスによって異なりますが、引き出す金額の3~6%が手数料の相場になっています。企業側が運用費を負担するほど、手数料が低くなる傾向があるため、バランスを考えながら比較検討してみてください。
2. 操作性・利便性
給与前払いサービスの強みは、必要なタイミングで円滑に給与を受け取れることにあります。そこで従業員がサービスを使いこなすのに時間を要し、毎回操作に躓いて直ぐに引き出せないようでは本末転倒です。
従業員のITリテラシーによらず誰でも容易に操作でき、確実に前払い給与を引き出せるかどうかが重要なポイントとなるでしょう。
また、スマホ対応のサービスは、外出先でも前払い申請や残高確認を利用することができ、急な出費があっても前払い金を引き出せます。専用アプリであれば、ホーム画面からすぐにサービスにアクセスしできるため、トラブルも少ないでしょう。
無料トライアル期間を設けているサービスもあるため、積極的に利用して操作性や利便性を確認しておくと良いでしょう。また、実際にサービスを利用したユーザーの口コミやレビューも参考になります。
3. 外部ツールとの連携
給与の前払いには、それまでの実労働時間から支払い可能な前払い金額を常に算出しておかなければなりません。そのため、給与前払いサービスを利用するには、従業員の正確な勤怠データをサービス提供会社に連携することが求められます。
多くのサービスは勤怠管理システムとの連携が可能ですが、その連携方法には、「CSVデータの共有」と「API連携」があります。
API連携では、データが自動的に同期されるため、一度設定してしまえば連携に手間がかかりません。一方で、CSVデータをサービス側のシステムに共有する場合、CSVデータの並び順が固定されており、出力した勤怠データの加工が必要になることがあります。自社の勤怠管理システムとの連携が容易にできるか確認しておきましょう。
また、給与計算ソフトと連携できれば、前払い金額を差し引いた給与が自動で算出されます。前払い金額を集計し、給与計算システムに入力する工程が不要になり、より効率的な給与処理が実現できるでしょう。
4. 対応している銀行口座
給与の前払いは銀行口座への振込みで行われますが、各サービスによって連携している銀行が異なります。「従業員の生活圏にある銀行」と「サービス側で対応可能な銀行口座」を合わせておくことが重要です。既に自社の給与振込で利用中の銀行口座と連携できるサービスを選ぶと、新たに口座開設することなく、従業員の負担も軽減できるでしょう。