「ユーザーの声」をもとにマーケティング施策をおこなうレビューマーケティング。カカクコムや食べログなどBtoCサービスでは一般的ではあるものの、近年ではBtoBにも広がりを見せています。
なぜ、BtoBマーケティングにおいてレビューを扱うことが注目されているのでしょうか。また、これからレビューを活用したマーケティングを推進するにはどうすればよいのでしょうか。
BtoB企業がレビューマーケティングを行ううえで押さえたいポイントを解説します。
レビューマーケティングとは
レビューマーケティングは、商品やサービスを利用してくれたユーザーの口コミそのものを、コンテンツとして自社のマーケティングに活用する手法です。
口コミマーケティングなどとも呼ばれ、すでにBtoCでは多く利用されており、主に消費者への販促に活用されています。
BtoB企業においてレビューマーケが注目される背景
なぜそんなレビューマーケがBtoBにおいて注目されているのでしょうか。
インターネットやスマートフォンの普及により、消費者は自ら情報収集を行い、製品・サービスを比較できるようになりました。また、SNSの普及により、ユーザーの声=口コミによって存在を認知したり興味を持つことも増えています。
その流れはBtoB分野においても見られ、近年ではオウンドメディアなどを通じて製品・サービス情報を届ける企業も増えています。ただ、場合によっては押しつけがましい見せ方にもなりかねません。
そこで、説得力のあるコンテンツとして、第三者である実際のユーザーの口コミやレビューを活用するようになってきたのです。
部門別レビューの活用シーン
ポジティブな声が集まると良い影響をもたらすことはイメージしやすいですが、具体的にどのような活用を行うと効果的なのでしょうか。
マーケティング活動における部門ごとの影響を見てみましょう。
マーケティング部門:リードジェネレーションの効果を上げるコンテンツ活用
- 第三者の声を用いて自社製品・サービスの認知やPRができる
- 見込み客からのコンバージョンを獲得できる
- レビューや製品・サービス情報を見た企業の情報を取得し、見込み客の発掘ができる
もっとも顕著に影響を受けるのは、自社リードの獲得施策を行うマーケティング部門でしょう。ユーザーからのポジティブな声を活用することで、見込み客の問い合わせやサービス資料のダウンロードといったコンバージョン獲得を後押しできます。
また、コンバージョンに至らなくとも、レビュー情報を閲覧しているユーザーは検討度合いが高い段階といえます。ユーザーレビューページを閲覧したユーザーにディスプレイ広告を配信するなど、見込み客の発掘にも役立てることができます。
関連記事:なぜBtoBのコンテンツマーケは、レビュー設置だけでCVが増えるのか? | ミナオシ
営業部門:営業資料やトークに顧客の評価や推薦を活用
- 自社製品・サービスへの顧客支持を得た根拠としてレビューを活用
- 他社と比較した場合の商品導入のメリットを訴求
見込み客との面談機会を設けられれば、あとはいかに自社製品・サービスへの興味を後押しできるかが勝負です。その際、自社の強みやアピールポイントを訴求するだけでなく、第三者の声を用いることで説得力のある営業トークができるようになります。
顧客は自分たちが想定していなかった製品・サービスの良さに気付くこともあります。そのような顧客の声があれば、同じような課題をもった顧客の悩みを解消できるかもしれません。
カスタマーサクセス部門:既存顧客の解約防止やサービス利用に対するヘルススコア
- 自社製品・サービスの満足度調査
- 顧客対応による満足度向上やアップセル
- 低評価レビューへの個別フォロー、解約防止
顧客の声は、そのまま自社製品・サービスの満足度を測る1つの指標になります。継続的に計測することで、顧客の満足度が一定以上を維持できているかを図るヘルススコアとしてそのまま活用することができます。併せてフリーテキストなどの定性評価をしてもらうことで、スコアの高い/低いユーザーの傾向分析にも活用できます。
もちろん、ユーザーレビューは必ずしも良い声ばかりではありません。顧客が不満に思っている箇所などネガティブな声が見られたら、すかさずフォローを入れるようにしましょう。満足度向上や顧客の解約防止、あるいは今後のサービス改善につながる可能性があります。
具体的なレビューの集め方
では、具体的にどのようにレビューを集めればよいのでしょうか。
レビューの集め方はいくつかありますが、主な方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 他社のレビューサイトやSNSで、顧客からの投稿を探し出して、そのレビューを集める
- 自社のサイトやSNSアカウントから、顧客からの口コミやフィードバックを募集する
- メールやSNSなどで、顧客に対してレビューを投稿してもらうようにリクエストする。
レビューを集める際には、レビューの投稿や表示に関してフォーマットを統一させたり、参考にするユーザーが使いやすいよう適切なフィルタリング方法なども考慮する必要があります。
レビュープラットフォームを提供するサービスも存在するため、そのような既存サービスを活用するのも手でしょう。
活用すべきレビュープラットフォーム
ミナオシ
「ミナオシ」株式会社ミナオシが運営する、実名制レビュープラットフォームです。法人に必要なサービス、企業、プロダクトを部門別で絞り込み検索したり、同じ業種・部門のユーザーたちの「利用したサービス」や「実名制レビュー」を参考に最適なサービスが見つかるサイトです。
大きな特徴として、ユーザーが気になる製品やサービス、その提供企業の情報を閲覧できるだけでなく、完全実名のレビュワーによるサービス利用経験レビュー(口コミ)も無料で閲覧できることが挙げられます。書き手やその内容には責任感が生まれるため、匿名のレビューよりも信頼性が増します。
また、ミナオシに投稿されたレビューはウィジェット機能が提供されており、ソースコード1つで自社サイトに貼り付けることができます。リード獲得を目的としたオウンドメディアやコンテンツマーケティングに有効で、実際に検証を行ったところ、CTAクリック率(サービスページへの送客率)が平均1.5〜2倍、最大3倍に向上した結果も出ました。詳細は以下にて解説しています。
関連記事:なぜBtoBのコンテンツマーケは、レビュー設置だけでCVが増えるのか?
ITreview
ITreviewは、法人向けIT製品・クラウドサービスのリアルユーザーが集まるレビュープラットフォームです。広告や売り込み情報だけでなく、審査された実ユーザーのレビューや評価データを参考にできる点がポイントです。
ユーザーレビュー数は10万件を突破しており、レビューキャンペーンも積極的に開催されています。収集されたレビューや評価は自社のマーケティングだけでなく、レビューをもとにした製品改善やユーザーサポートにも活用できます。
外部サイト:ITreview – ビジネス向けソフトウェアとクラウドサービスのレビュー・比較サイト
まとめ
すでに欧米など海外ではユーザーレビューを活用する動きは盛んで、日本にも今後その波が訪れると想定されます。
今後BtoB分野でもユーザーレビューを活用していくために、まずは質の高いユーザーレビューの収集が必要です。自社サイトやSNSなどで収集することも可能ですが、基本的にはレビュー収集ノウハウやフォーマットを確立したレビュープラットフォームを活用することが望ましいでしょう。
収集したレビューをどのように露出させ、どのように自社リード獲得に活かすのか、活用法まで設計しておくことで、効果的なレビューマーケティングを実現できます。