求める人材の集客・獲得・定着、学生と企業の接触の機会創出を図る新卒採用媒体(就活サイト)は、マイナビやリクナビといった総合型の求人サイトのほか、特定の業種や学生層に特化したものや、逆求人型と呼ばれるダイレクトリクルーティングサービスなど、その種類はさまざまです。
数多くの新卒採用媒体・サービスの中から、自社の採用課題やターゲットに合った適切なものを選定できれば、採用目標の達成や担当者の業務負担軽減が見込めます。
本記事では、新卒採用媒体(就活サイト)について、それぞれの特徴や提供サービス、掲載料金や報酬額などを紹介します。媒体・サービスの分類や特性とともに、選び方や運用のポイントについても解説していますので、ぜひご参照ください。
新卒採用媒体(就活サイト)の5分類と特徴
新卒採用媒体(就活サイト)には、以下の5つの種類があります。
- 総合型就活サイト(ナビサイト)
- 特定の学生層に特化した就活サイト(理系・体育会学生・留学生特化)
- 職種・業界特化型就活サイト
- 新卒紹介サービス
- ダイレクトリクルーティングサービス
必ずしも、この5つに分類されるというわけではなく、サービスによっては複合的な要素を持ち合わせているものもあります。
以下の表に、それぞれの特徴を簡単にまとめます。
| サービスの種類 | 特徴 |
| 総合型就活サイト | ・求人情報を掲載して応募を待つ形式。 ・知名度の高い大手サービスが複数あり、使いやすさやサービスの豊富さに長ける。 ・利用する学生の数が非常に多い。 ・インターンシップ情報も掲載可能。 ・合同説明会などの大型イベントを主催している。 |
| 学部特化型就活サイト | ・求人情報を掲載して応募を待つ形式。 ・専門的な知識をもつ学生に特化している。 ・参加対象を限定した説明会イベントを主催している。 |
| 職種・業界特化型就活サイト | ・求人情報を掲載して応募を待つ形式。 ・専門性の高い職種や業界の求人のみ取り扱っている。 ・利用する学生が、自社の業界に対して積極的な姿勢をもって就職活動を行っている。 |
| 新卒紹介サービス | ・登録後、エージェントからの紹介を待つ形式。 ・多くのサービスが成功報酬型を採用しており、初期費用を抑えられる。 ・エージェントが主体となるため、人的リソースを最小限に抑えられる。 |
| ダイレクトリクルーティングサービス | ・企業から学生に対してアプローチをかける形式。 ・アドバイザーからのコンサルティングを受けられる。 ・成功報酬型のサービスが多く、コストを抑えられる。 |
総合型就活サイト(ナビサイト)
総合型就活サイト(ナビサイト)は、業種・業界、企業規模に寄らず、どこの企業でも登録・掲載できる採用媒体です。マイナビ・リクナビのような大手サイトの影響により、採用媒体の代表的なサービスとして知られています。
幅広い業界・業種の企業が登録しており、利用するユーザー(学生)もトップクラスに多いことが大きな特徴です。
特化型サービスに比べて掲載料は高くなる傾向がありますが、利用するユーザーが多いという理由から、使いやすさを追求したUI/UXデザインとなっていることが多いです。
また、大手サイトになると、オプションとして以下のような機能を利用することが可能です。
- メール広告(オススメ企業としてメール配信)
- バナー広告(サイト内にバナー広告を掲載し、発見率を高める)
- 志向・属性別マッチング企画(学生の志望業種に合わせた、求人情報のピックアップ表示)
- 検索結果上位表示機能
- 外部サイトやSNSでの広告掲載代行
母集団形成を手助けする機能が豊富にあることから、「多数の学生にリーチしたい」「就活サイトを通じた、自社の認知度アップを考えている」という企業にとって利用価値の高いサービスと言えます。
特定の学生層向けの就活サイト
特定の学生層向けの就活サイトは、例えば以下のような学生層を対象としています。
- 理系学生
- 体育会学生
- 留学生(日本語学科生)
- 美術・芸術系学生
サービスによっては、参加対象となる学生に限定した企業説明会の主催も行っているため、専門的な知識やスキルが必要な職種での採用に適しています。
職種・業界特化型就活サイト
職種・業界特化型就活サイトは、専門性の高い職種や業界の求人に特化した就活サイトです。
利用する学生も元々そういった業界や職種に興味があって就職活動を行っているため、企業と学生双方がお互いにアプローチしやすいという特徴があります。
サービスによって対象とする業界はさまざまですが、代表的な業界・職種は以下の通り。
- マスコミ・広告業界
- IT/Webエンジニア
- デザイナー(Web・DTP)
- クリエイター(映像・画像・音楽など)
- ファッション・アパレル業界
- 農業・水産業界
- 金融業界
多くのサービスで成功報酬型が採用されており、採用人数や面接設定人数に対して手数料が発生するため、他の新卒採用媒体に比べて初期費用を抑えられるという特徴があります。
新卒紹介サービス
新卒紹介サービスは登録後、エージェントからの紹介を待つ形式のサービスです。自社の採用ターゲット(求める人物像)を伝え、ピンポイントで人材を探してもらうことも可能で、サービスによっては内定者フォローを代行してくれることもあります。
エージェントが主体となって採用活動が進むため、人的リソースや採用ノウハウを削減できますが、担当するエージェントの個人スキルによって効果に差が生まれてしまうことがあるので、その点には注意が必要です。
利用する際には、定期的に打ち合わせを行うなど、エージェントとコミュニケーションを取りながら一緒に採用活動を進めることを意識しましょう。
上記の特性から、新卒紹介サービスは「説明会などを通じた母集団形成に苦労している」「採用ノウハウがなく、サポートを受けながら採用活動を行いたい」という企業に適したサービスと言えるでしょう。
ダイレクトリクルーティングサービス
ダイレクトリクルーティングサービスは、企業から学生に対してアプローチをかける採用手法です。求人募集をかけて応募を待つという従来の「待ちの採用」に対して「攻めの採用」とも呼ばれています。
ダイレクトリクルーティングでは、企業が設計した採用ターゲットをもとに、近い特性を持つ学生に対してオファーやスカウトといった形でアプローチをかけることができるため、少数のターゲットに対して、効果的にアプローチすることができます。
また、多くのサービスでは料金体系に成功報酬型や月額制を採用していることもあり、採用人数によっては、総合型の採用媒体に比べて費用を抑えられるというメリットがあります。
ただし、採用担当者が主体となって採用活動を進めていかなければならないため、利用の際には、運用体制をしっかり整えておく必要があります。
新卒採用媒体(就活サイト)の選定・運用を成功させるポイント
新卒採用媒体(就活サイト)には、さまざまな種類のサービスがあり、それぞれが異なる特性や強みを持つため、自社の採用課題や運用体制に応じたものを選定する必要があります。
目的に合ったサービスを選定しなければ、かえってリソース不足になったり、想定していた費用対効果が得られないといった問題を引き起こしたりする場合があります。
新卒採用媒体の選定・運用を成功させるために、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- 採用ターゲット(求める人物像)を設計する・見直す
- 採用ターゲットを軸にした採用活動の課題を明確にする
- 自社の運用体制を整えておく
採用ターゲット(求める人物像)を設計する・見直す
新卒採用媒体(就活サイト)の選定は、自社の採用ターゲット(求める人物像)を軸に行います。ターゲットの専攻は何か、どこにいるか、活動時期はいつごろか、どんな媒体を利用しそうか、などによって企業側が選ぶべき媒体も当然変わってくるからです。
自社の採用ターゲット(求める人物像)はできるだけ細かく設計し、必ず明文化して採用担当者間でしっかりと共有しておきましょう。
採用ターゲットを軸にした採用活動の課題を明確にする
採用ターゲットの設計・見直しが完了したら、採用ターゲットを軸とした時に、自社にとって何が課題となってくるのかを明確にしておきます。
例えば、「専門的なスキルや知識を持った学生に来てもらいたいが、探し出せない」という場合、専門的なスキルや知識を持つ学生の利用が多い「職種特化型就活サイト」や「特定の学生層向けの就活サイト」を利用することで、特定の業界に興味のある学生と接点を持つことができます。
また、応募者1人1人に時間をかけ、性格や自社とのマッチング性をしっかり見極めたいという場合には、企業から何度もアプローチをかけることのできるダイレクトリクルーティングサービスが適していると言えます。
このように、利用する新卒採用媒体(就活サイト)を絞り込む際には「自社が採用ターゲットを採用するためには、どのような課題があるのか」を明確にしておきましょう。
自社の運用体制を整えておく
新卒採用媒体(就活サイト)の利用を開始する前には、自社の運用体制を整えておきましょう。
例えば、総合型就活サイトであれば、応募や反響に対してすぐに対応できるかどうかで、応募者の入社意欲が大きく変わるため、対応できる体制を整えておかなければいけません。
ダイレクトリクルーティングサービスの場合には、採用候補者の登録情報を読み込み、自社の求める人材かどうかを見極めなければいけないため、時間コストが必要になります。
そのため、媒体ごとの特性・オプションサービスを十分に使いこなすことができるリソースが自社で用意できるのかという部分が、運用を考えるうえで非常に重要になってきます。
また、新卒採用は1年限りのものではありません。何年もかけてノウハウを培い、自社の求める人材の確保に向けて試行錯誤していかなければならないため、前年度のデータ分析や計画の見直しは欠かせません。
最適だと思える媒体を選んだからといって、それがゴール地点ではないという認識を持ち、新卒採用媒体(就活サイト)の運用成功に向けて、尽力しましょう。
新卒採用媒体(就活サイト)の機能・サービス
サイト内の機能・提供サービス
- こだわり条件検索:学生が給与・福利厚生・勤務地などの条件を設定し、求人を検索できる。
- スカウト機能:サイトに登録している学生に対し、スカウトメッセージを配信できる。
- ダイレクトリクルーティング機能:サイトを介して学生とのリアルタイムなやり取り(チャットやメッセージなど)を行える。
- 自動マッチング機能:企業・学生の双方が登録した条件を自動で照会し、マッチングを行う。
- 診断ツール機能:適性検査やアンケートといった診断を行える。
- オンライン面接機能:動画やビデオ通話を使用したオンライン面接ができる。
- 求職者行動履歴分析:学生がどのような企業に応募したかを集計し、分析できる。
- インタビュー記事掲載:自社に対するインタビュー記事を掲載できる。
- 求人原稿代行作成:求人原稿の作成を代行する。
業務システムや外部サービスとの連携
- 他サイト同時掲載:連携している複数の求人サイトに対して、求人情報を同時掲載する。
- カレンダー連携:カレンダーツールと連携し、設定した面接日時を自動で反映する。
- メール連携:メールソフトと連携し、自社メールアドレスからのメール配信ができる。
- SNS連携:求人情報をSNS上で配信できる。
- 外部システムとの連携:人事管理システムや採用管理システムとの連携を行える。
まとめ
現在、さまざまな新卒採用媒体(就活サイト)が出現し、それに伴って、提供されるサービスも多様化が進んでいます。
中には、特定の業界や業種に特化し、それらに興味のある学生のみが利用する新卒採用媒体(就活サイト)もあるため、どのような学生を採用したいかをあらかじめ設計しておくことで、最適なサービスが見つかりやすくなるでしょう。
採用ターゲットや採用活動における課題を軸とし、本記事で紹介した選定・運用のポイントを確認しながら、新卒採用媒体(就活サイト)を比較・検討ください。