人事評価システムは、目標設定や自己評価、上長からのフィードバックなど、一連の人事評価プロセスで生じるデータを管理できるシステムです。人事評価業務の効率化を図るとともに、多面的で公平な人事評価を実現できるため、大企業だけでなく、中小企業でも導入が進められています。
本記事では、人事評価システムのメリットや比較ポイントなど導入前に知っておきたいポイントに加え、ミナオシに掲載された17サービスの特長や料金プランを紹介します。「低コストで始めたい」「クラウドで管理したい」などの要望に適したサービスもあるので、ぜひ参考にしてみてください。
人事評価システムとは
人事評価システムとは、人事評価業務の効率化、公平な人事評価の実施を支援するシステムです。スキル・資格・実績などの従業員情報をシステム上に集約し、上司のみの主観や感覚に頼った評価でなく、客観的なデータに基づく人事評価を実施できます。
- 従業員情報(経歴・スキル・実績など)の一元管理
- 人事評価シートの作成・配布・回収・管理
- 個人やチームの目標設定、進捗の可視化、評価の管理
- 評価ワークフローの設定
- 評価データの集計・分析
また、働き方や人事評価に対する価値観が多様化する現代に合わせ、コンピテンシー評価やMBO評価(目標管理制度)、360度評価、OKR評価など機能や評価手法も増えており、適切な人事評価を実現することが可能です。勤怠管理システムや給与計算ソフトと連携できるシステムもあるので、同一データの二重入力や転記時の誤入力を防ぐなど、業務効率化にも大きく貢献するでしょう。
人事評価システムの導入メリット
人事評価システムの主な導入メリットは下記5点です。
- 人事評価に伴う業務の効率化
- 人事評価の質の向上
- 従業員満足度やエンゲージメントの向上
- 離職率の低下
- データに基づく人材マネジメント
1. 人事評価に伴う業務の効率化
人事評価システムを導入する一番のメリットは、人事評価における業務効率の大幅改善です。エクセルや紙ベースでの運営で発生する評価シートの作成・記入・配布・回収の手間がなくなり、各従業員の評価データがシステム上に集約されるので、データの集計や分析も短時間で処理できます。
また、誰が評価シートを提出していて、評価ワークフローがどこまで進んでいるのかといった進捗ステータスが一目で把握できるため、一人ひとりに確認をしなくても未提出者のみにリマインドできます。さらに、リマインドメールの自動配信が設定できるとより効率的です。
人事評価の業務プロセスが効率化されることで、評価のフィードバックや人事面談、データ分析により多くのリソースを費やすことができるでしょう。
2. 人事評価の質の向上
人事評価システムでは、コンピテンシー評価・MBO評価・360度評価など、さまざまな評価方式を人事評価制度や人材マネジメントに適用できます。
従業員の勤務態度や目標達成度などのデータと評価基準を照らし合わせ、客観的に分析・評価できます。
情報がシステム上で一元管理されるため、他の人事担当者ともデータを共有でき、一面的な評価ではなく多面的で公平な人事評価が可能となります。
3. 従業員満足度やエンゲージメントの向上
人事評価システムを活用すると、上司のみの主観や感覚ではなく、実績やスキルなどの客観的な評価基準が明確になります。データに基づく適正な評価結果を従業員にフィードバックすることで、従業員の人事評価に対する納得感は格段に上がるでしょう。
人事評価制度の整備によって従業員エンゲージメントを高めるには、従業員が「この会社では努力をすれば報われる」「成果そのものだけでなく、成果を出すための能力やスキルをきちんと評価してくれる」と感じるようになることが重要です。
人事評価に対する不満や不安感を解消できれば、仕事へのモチベーションや企業に対する満足度も上がっていくでしょう。個々の従業員が意欲的に業務に取り組むことは、企業全体の生産性向上にも繋がります。
4. 離職率の低下
離職の理由に「満足のいく人事評価が行われなかった」という点を挙げる人も少なくありません。優秀な人材ほど自身の能力を適正に評価してもらえる環境を求めて、早めに見切りをつけて転職してしまう傾向も見られます。
人事評価システムでは、こういった離職者の傾向を過去の従業員情報から分析し、離職リスクの可視化や綿密なフォローを行うことが可能です。アンケート機能を使って従業員からの企業に対する評価・要望を回収し、4半期・半年・1年などと定期的に従業員の満足度を調査することもできます。
5. データに基づく人材マネジメント
従業員のスキルや実績、目標達成度の推移など、人事評価システムに蓄積された人材データは、適材適所の人材配置や人材の育成計画といった人事戦略にも活用できます。
このポジションに適した人材は社内のどこにいる誰なのか、自社にはどのような人材が不足しているのかなども、評価データの可視化によってひと目で把握でき、必要とする人材の早期育成に役立てることが可能です。
社内に散在する人材資料を集めて1人ずつ評価を行えば膨大な時間を要し、かと言って担当者の主観による絞り込みでは本当に適した人材を見落してしまうリスクもあります。人材マネジメントにおいてデータに基づく意思決定を素早く確実に行う上でも、人事評価システムの活用は重要なポイントと言えるでしょう。
人事評価システムの選び方・比較ポイント
人事評価システムは、主要目的を人事評価の業務フロー効率化としたシンプルな製品から、特別な評価手法や分析手法に特化したもの、タレントマネジメントシステムの一機能を担うものまでさまざまです。
人事評価システムの導入目的や人事戦略の現状課題を軸に大枠の絞り込みを行い、以下のポイントを押さえて比較検討に進みましょう。
- 自社の人事評価制度との相性
- 人事異動や部署の統廃合への対応
- 操作性・使いやすさ
1. 現状の人事評価制度との相性
システム導入後も自社の人事評価制度を踏襲したい場合、必要な評価項目や評価ワークフローを再現しやすいように、カスタマイズの幅が利く製品を選んでおくことを推奨します。評価手法として、MBO評価(目標管理制度)、コンピテンシー評価、OKR評価、360度評価などを採用しているのであれば、それらに対応するシステムが必要です。
現状とは異なる新しい評価手法を取り入れたい、人事評価の運用方法から変えたいという場合は、その運用計画や施策に対応できる機能が必要です。ただし導入後の運用状況によっては、元の評価制度に戻したり、定着に向けて徐々に調整を行ったりということも考えられます。そういったことも踏まえて、機能の拡張性や柔軟性を確認しておくと良いでしょう。
デモ版やトライアル導入のサービスがあれば、実際に利用して自社の人事評価制度や運用体制に合っているか確かめてみるのも一手です。
2. 人事異動や部署の統廃合への対応
一般的に、人事評価システムに蓄積していくデータは、個々の従業員の人事情報に紐づけられていきます。人事異動や部署の統廃合などがあるたびに、新たに従業員のデータを登録し直すのはかなりの手間です。人事情報のみを変更すれば異動先でもそのままデータの活用や追加ができるシステムを選ぶのが賢明でしょう。
労務管理システムや勤怠管理システムなどの人事情報データベースと連携・同期できるものであれば、人事異動があった際に人事情報を自動更新したり、評価ワークフローに設定していた上長を自動で入れ替えたりといったことができます。
3. 操作性・使いやすさ
システムの使い勝手が悪ければ現場で活用されず、導入しても定着に結びつきません。評価手法や評価項目数にも寄りますが、操作が複雑なものを選んでしまうと設定も運用も大変です。
実際に操作感や見やすさを確認する場合は、管理者視点だけで判断しないように注意しましょう。可能であれば、仮導入やデモ版で従業員にも操作感を試してもらい、利用者全員が納得できる製品を探してみてください。
機能や価格を比較し、自社に最適な人事評価システムを導入!
人事評価システムは、人事評価業務の効率化と公正・公平な評価の実現、それに伴う従業員の満足度向上や離職率の低減に大きく貢献してくれる非常に便利なツールです。
しかし、クラウド型や自社サーバー型といったソフト種別のほか、連携可能なツールや搭載されている機能が製品ごとに異なります。
製品選定前に、最低限必要な機能や各機能との優先度を明確にしておき、本選定ガイドで紹介した3つのステップを参考に、自社に最適な人事評価システムを比較検討ください。

