リファレンスチェックサービスは、専用ツールや調査代行サポートを通じて、採用担当者の負荷を軽減しながらリファレンスチェックを実施できるサービスです。
サービスには、主に以下のような内容が含まれます。
- 採用候補者とリファレンス先への依頼・やり取り
- ヒアリング内容や質問リストの作成
- バックグラウンドチェック
- 採用候補者のSNS投稿調査
以下、リファレンスチェックサービスについて、それぞれの特徴や料金プランを紹介します。選定に際して、基本的なサービス内容やツールの機能、導入メリット、選び方などの詳細を確認したい方は、選定ガイドをご参照ください。
リファレンスチェックは、職務の遂行能力や仕事における価値観などを、以前の職場の上司や同僚からヒアリングする採用活動の一種です。書類や面接だけでは見抜けない第三者からの評価が得ることができ、ミスマッチや早期退職の低減、採用コストの削減を図ることができます。
しかしながら、リファレンスチェックは採用活動のリソース負担が大きく、また個人情報を取り扱うデリケートな領域であることから、なかなか自社で実施することが容易ではないのが実情です。
そこで注目されているのが、専用ツールや調査代行サポートを通じて、採用担当者の負荷を軽減しながら、個人情報保護法やコンプライアンスに則った調査を効率的に実施できる「リファレンスチェックサービス」です。
本記事では、リファレンスチェックサービスについて、その役割や導入メリットをわかりやすく解説しています。また、サービスの選び方や比較のポイントも紹介していますので、特にリファレンスチェックの実施経験がない企業様や、運用に不安のある採用担当者の方は、ぜひご参照ください。
リファレンスチェックサービスとは
リファレンスチェックサービスは、専用ツールや調査代行サポートを通じて、採用担当者の負荷を軽減しながらリファレンスチェックを実施できるサービスです。
コストを抑えながらサービスを効果的に活用するには、「そもそもリファレンスチェックはどのように実施するのか」について理解し、サービスの利用目的を明確にしておくことが重要です。
リファレンスチェックとは
リファレンスチェックとは、企業が中途採用の際に、前職での実績、仕事における価値観、職務遂行能力などについての評価、以前の職場の上司や同僚から照会する制度です。
採用候補者に対する第三者からの多角的な評価情報を得られるため、採用候補者の人物像や、業務上の適性、客観的な長所・短所を確認でき、履歴書や職務経歴書だけでは見抜くことができない経歴詐称の発見にも役立ちます。
リファレンスチェックの流れ
リファレンスチェックは、以下の流れで実施するのが一般的です。実施のタイミングは特に決まっておらず、入社直前でも選考フローの序盤でも問題ありません。
- 採用候補者にリファレンスチェック実施の旨と実施目的を伝える
- 採用候補者からリファレンスチェック実施に対する承諾を得る
- リファレンス先(依頼先・推薦者)を決定する
- リファレンス先に採用候補者についてのヒアリングを行う
リファレンス先は自社で探す、もしくは採用候補者による提案、の2つの方法があります。一般的には、前職の上司2名、同僚1名に依頼するケースが多いようです。
リファレンスチェックの違法性
個人情報保護法 第四章第一節によると、事業者が個人情報を取り扱うにあたって、「本人の同意」と「知り得た情報の利用目的の特定及び明示」が義務付けられています。そのため、リファレンスチェックを行う際には、リファレンスチェックの目的を採用候補者本人に説明し、承諾を得なければなりません。
また、個人情報保護法ハンドブックによれば、知り得た個人情報の利用目的の明示に関して、「利用目的の具体的な特定と、特定した利用目的の公表、もしくは本人への通知が必要」とあります。
つまり、「採用ページなどでの公表」もしくは「承諾書で本人の承諾を得る」といったことを事業者側で行っておく必要があるということです。
具体的には、以下のような流れになります。
- リファレンスチェックの実施に関する承諾書を採用候補者に渡す。もしくは採用ページなどを通してその旨を公表する。
- 採用候補者から承諾書の内容に理解と承諾を得る。
- 依頼先を指定し、リファレンスチェックを行う。
採用候補者本人の承諾なくリファレンスチェックを実施した場合、個人情報保護法に抵触する違法行為となってしまうので、抜け漏れがないかを必ず確認しておきましょう。
バックグラウンドチェック(前職調査)の違い
リファレンスチェックと混同されがちな言葉として、バックグラウンドチェック(前職調査)があります。どちらも、面接だけではわからない採用候補者の経歴周りの調査(信頼性を確かめる調査)ですが、調査範囲や調査目的が異なります。
リファレンスチェックは、一緒に働いたことのある第三者から客観的な意見を聞くことで、候補者の理解を深め、自社との適合性を調査することが目的であり、採用候補者の前職での実績や人物像といった、書類や面接のみでは判断しきれない情報を調査します。
一方、バックグラウンドチェックは、面接や職務経歴書などに記載された情報に嘘がないか、自社に不利益を与えるリスクがないかどうかを調査することが目的であり、学歴、職歴といった経歴に関することから、民事訴訟歴や破産歴、反社会勢力との関係、SNSへの投稿などの調査を行います。
リファレンスチェックサービスの一部としてバックグランドチェックが含まれている場合もありますが、方向性の異なるサービスであるため、調査を行う前に、これらの違いについて把握しておきましょう。
リファレンスチェックサービスが解消できる採用課題
リファレンスチェックは、職歴書や面接では見抜きにくい採用候補者の本質を導き出し、人材の獲得から入社後の定着までの採用成功率を高めるための施策です。
特に、入社後すぐに活躍してもらいたい目的がある中途採用の場合は、企業も転職者も選考にあまり時間をかけられず接触回数も少ないため、どうしても自社にフィットする人物像を正確に捉えにくく、入社後にミスマッチが発覚してしまうケースも少なくありません。
- 面接を実施したが採用すべきかどうか判断しかねる
- 本当に欲しい人材に内定辞退されてしまう
- 熟考の末に採用したが、早期退職してしまった
- 採用活動のリソースがかかりすぎて他の業務が圧迫されている
- 採用後に期待していたパフォーマンスを発揮できていない
- スカウトや面談の数を増やしても採用人数や定着数はそのまま
採用課題を担当者の負担やコストを抑えつつ、上記のような採用課題の改善をサポートするのがリファレンスチェックサービスです。
リファレンスチェックサービスの導入メリット
リファレンスチェックサービスの導入により、企業や採用担当者が享受できるメリットは下記の通りです。
- 選考の効率化
- 個人情報保護法やコンプライアンスを遵守した調査
- 経歴・職歴詐称の検知(バックチェック)
- ミスマッチ防止と離職率の改善
- 入社後のマネジメントの最適化
- 採用コストの削減
オンラインツールや調査代行サービスを活用することにより、リファレンスチェックそのものの特性や効果がより得られやすくなるとも言えるでしょう。
選考の効率化
仮に、自社でリファレンスチェックを行う場合、採用候補者や指定された依頼先(推薦者)とのやり取りだけでなく、質問項目の設計・作成、回答と書類の照合、レポート作成などを全て自社で行う必要があります。
リファレンスチェックサービスでは、リファレンスチェックの実施依頼から、ヒアリング先の指定、ヒアリング先からの回答や御礼・フォローアップ、レポーティングまで、全てオンラインで完結するため、採用企業だけでなく、採用候補者や調査対象の前職関係者にとっても負担が少なく、スピーディーなチェックが実現可能です。
また、リファレンスチェックは最終面接後や合否判断に悩んでいる際に実施されることが多いですが、選考フローの序盤に実施することで、早期に候補者を見極めてスクリーニングをかけ、選考フローを削減することができます。
これまでの採用データや採用課題に応じて、リファレンスチェックを実施するタイミングを変更するといいでしょう。
個人情報保護法やコンプライアンスを遵守した調査
リファレンスチェックサービスに依頼することで、コンプライアンスを遵守した質問項目の作成や精査を行ってくれるため、安全にリファレンスチェックを実施可能です。
自社でリファレンスチェックを実施する場合、質問リストに少しでも不適切な内容や表現が含まれていると、依頼先の推薦者や採用候補者に不信感を抱かれてしまう可能性があります。
企業コンプライアンスが重要視されている昨今では、個人情報の取り扱いは非常にデリケートな領域となっており、依頼先(ヒアリング先)の企業にリファレンスチェックの目的を説明したとしても、簡単には応じてもらえないケースもあるでしょう。
また、個人情報保護法により、本人の同意を得る前に個人情報のやり取りを行うことは禁止されているため、リファレンスチェックが適切な手順で実施されなかった場合は、個人情報保護法に抵触して違法となってしまいます。
リファレンスチェックサービスで利用するオンラインツールは、個人情報保護法に則った設計になっているため、リファレンスチェック実施の経験がない担当者の方でも、適切な手順で進めていくことが可能です。
経歴・職歴詐称の検知(バックチェック)
経歴詐称をした人材を採用してしまうと、入社後に期待した通りのパフォーマンスが出せない可能性が高く、また業務で問題を起こしたり、社内や顧客に嘘を吐いて企業ブランドを低下させたりと、コンプライアンス上でのリスクにもなります。
また、入社後に詐称が発覚しても、詐称内容によっては簡単には解雇できないケースも多く、雇用前に検知することが重要です。その有効対策の1つがリファレンスチェックとなります。
提出書類や面接は全て採用候補者本人の申告ですので、いくら企業側が工夫しても虚偽が発生するリスクは一定のまま(候補者本人次第)ですが、リファレンスチェックによる同じ職場の上司や同僚からの評価は第三者の客観的な情報です。
職歴書や面接時の発言と照合することで経歴詐称を検知する策として最も有効な手段と言えるでしょう。
ミスマッチ防止と離職率の改善
リファレンスチェックでは、選考書類や面接から読み取れる情報以外に、採用候補者の客観的な評価を入手することができます。
求めるスキル・人物像と合致しているか、自社のカルチャーとフィットしそうかの判断材料が増え、ミスマッチが軽減されます。
また、職歴書や面接での発言に偽りがないかどうかを確認するネガティブチェックだけでなく、本人も気付いていない長所や業務上の適性などのポジティブチェックができるのも大きなメリットです。
選考フローの序盤でリファレンスチェックを実施しておけば、次回の面接でどういったことを掘り下げるべきかが明確になり、また採用候補者が求めていることも把握できるため、本当に欲しい人材に適切なアプローチをかけることができます。
入社後のマネジメントの最適化
リファレンスチェックサービスは、採用時だけでなく、入社後のマネジメント計画にも活用可能です。採用候補者の人物像や業務上の適性について理解を深めることで、パフォーマンスを最大限に引き出す配置や環境づくり、オン・ボーディング設計にも活かせるでしょう。
採用コストの削減
スカウトや面接の数を増やしても、面接や採用の質が向上しなければ、採用コストがかさむばかりです。リファレンスチェックによる早期離職率の改善、および定着率の向上は、結果として不要な採用コストを抑えることにも繋がります。
リファレンスチェックサービスの選び方・比較ポイント
リファレンスチェックサービスの強みは、自社のリソースでは調査しきれない採用候補者の情報を入手し、選考の効率化を行えることです。サービスの比較検討時には、サービスによって差が生じやすい以下のポイントをチェックすると良いでしょう。
- 採用候補者の属性と調査範囲
- 料金体系
- 調査レポートの納期
自社の採用課題や求める人物像を整理し、サービスの利用目的(サービスに何を求めるか)を明確にした上で、自社に最適なリファレンスチェックサービスを選定しましょう。
採用候補者の属性と調査範囲
リファレンスチェックは、採用候補者の属性によって、調査すべき内容や質問事項、そのほか必要な機能・オプションサービスが異なります。
前職での働き方や価値観、実績、業務内容などを把握することが目的であれば、上司や同僚への質問のみでも十分な調査が可能です。
しかし、「学歴や職歴など、前職から更にさかのぼって調査したい」「職務とは違った面(民事訴訟歴や破産歴、SNSでの行動など)で調査したい」という場合には、バックグラウンドチェックやSNSチェックも含まれているサービスを選ぶ必要があります。
多くのリファレンスチェックサービスでは、採用候補者の属性や企業コンプライアンスに合わせた「テンプレート質問」が準備されていますが、自社オリジナルの質問項目を作成・追加できるサービスもあります。
料金体系
リファレンスチェックサービスの料金体系には、従量課金制と月額制の2種類があります。
従量課金制は、1人あたりの調査に対して料金がかかる仕組みです。調査範囲や候補者あたりの推薦者数によって変動しますが、1件あたり15,000円~70,000円が相場となっています。
一方で月額制は、一定金額の課金を行うことで、決まった調査範囲内や利用機能を無制限に利用することができます。こちらは料金要相談の個別対応となります。
予定採用人数や採用活動期間、採用ターゲットに合わせて部分的にリファレンスチェックサービスを取り入れるといった活用方法もでき、採用計画にリファレンスチェックを上手く取り込めば全体の採用コストを抑えることも可能です。
調査レポートの納期
リファレンスチェックサービスでは、代行サービス会社が依頼先とのやり取りや調査結果レポートの作成を行うため、採用企業(自社)が結果を把握できるまでの一定の期間が生じます。
各サービス会社が提供するプランや依頼時期によって、リファレンスチェックにかかる期間が変動するため、採用人数や調査範囲を早期に明確化し、事前にサービス会社への確認を行っておきましょう。
リファレンスチェックサービスの機能・サービス内容
以下、リファレンスチェックサービスに含まれる代表的な機能・サービスです。
- 質問項目テンプレート:質問項目のテンプレートを利用できる。
- 質問項目作成:自社独自の質問項目を作成できる。
- SNS調査:採用候補者のSNS投稿を調査できる。
- 学歴・職歴調査:学歴や職歴を照合し、虚偽の記載がないかを確認できる。
- ネガティブチェック:自己破産歴・休職歴、反社会勢力との繋がりなどを調査できる。
- 資格調査:各種職業資格を偽っていないか調査できる。
- 多言語対応:英語や中国語などのリファレンスチェックに対応している。
- レポート報告:調査結果をレポート形式で報告してもらえる。
- 匿名調査:自社の社名を隠して調査を行える。
- 採用管理システム連携:採用管理システムと連携し調査対象者を選ぶことが可能。



