eラーニングシステムは、eラーニング(電子学習)に必要な動画やテキストのコンテンツを作成・登録し、配信できるシステムです。
集合研修に必要とされていた会場費・宿泊費・交通費や教材費を削減できるほか、会場や宿泊施設の手配、教材の準備、スケジュール調整、経費精算などの時間・手間のかかる業務を削減することも可能です。
さらに、LMS(学習マネジメントシステム)の機能を持ち合わせたeラーニングシステムも多数登場しています。
LMSは、学習進捗やテストの成績、研修後に実施したアンケートの回答状況など、学習に関わる従業員情報を一元管理できるシステムです。学習課題の進捗管理やスケジュール管理がしやすいだけでなく、受講後の効果測定、受講者からのフィードバックを行い、研修計画の改善に活かすことができます。
eラーニングシステムの導入メリット
社内研修にeラーニングシステムを利用することは、管理者・受講者の双方にとってメリットがあります。
管理者・運用側のメリット
- 多くの受講者に対し、一斉に一律に提供できる。
- 大人数の受講者を一か所に集める必要がなく、教材の印刷代や会場レンタル料、交通費などのコストを削減できる。
- 個々の成績情報や学習履歴を簡単に管理することができる。
- 一度制作した教材は繰り返し利用できる。
- 教材内容の変更に、すぐ対応できる。
- 必ずしも講師を必要としない。
受講者側のメリット
- 時間や場所を選ばず、均一な質の教育を受けられる。
- 理解度を深めるために、繰り返し同じ授業・講義を受けられる。
- 自分のペースや達成度に応じて、自由に学習計画を立てることができる。
- 進捗状況やテスト結果などのフィードバックを即座に確認できる。
- 講師の質の違いに影響を受けない。
eラーニングシステムの選び方
eラーニングシステムは、種類が多く、それぞれが異なる特性や強みを持ちます。そのため、ただ機能数が多ければ良いというのではなく、その製品が自社の課題や導入目的に応じたものであるかどうかが重要です。
以下、3ステップで自社のニーズにあったeラーニングシステムを選定することができます。
- eラーニングシステムの導入・運用目的を明確にする
- 自社ニーズに合ったeラーニングシステムを絞り込む
- 無料トライアル・無料プランを活用する
ステップ1 .eラーニングシステムの導入・運用目的を明確にする
eラーニングシステムは、自社が抱える課題や、導入後にどのような講義を行っていくかによって必要な機能が大きく異なります。
例えば、接客や来客対応など実践的な知識・ノウハウを身に着けたい場合、テキストよりも動画教材の方が理解度が深まりやすいです。
また、汎用的な知識をテキスト教材で学んだあとに、自社で制作した動画教材による講義を行うといった方法を取ることで、オリジナルの講義を行うこともできます。このように、講義に使用する教材は、講義を通して伝えたい内容に応じて決めることが重要です。
そのほか、受講者のモチベーション向上を図るのであれば、LMSのような受講者同士のコミュニケーションやナレッジ共有を促すことができる掲示板機能やチャット機能のほか、講義に対する満足度を測るためのアンケート機能があると良いでしょう。
このように、eラーニングシステムを導入・運用する目的をあらかじめ明確にし、現状の課題と必要な機能を洗い出しておきましょう。
ステップ2. 自社のニーズに合ったeラーニングシステムを絞り込む
eラーニングサービスの導入・運用目的、必要な機能が決まったら、自社のニーズ(予算や運用体制)に合わせて製品を絞り込んでいきましょう。
eラーニングシステムを比較する上で目安となるポイントは以下の通り。
- 提供する教材:自社が必要とする内容の教材を用意しているのか。
- システムの形態:クラウド型かオンプレミス型か。
- 料金体系:発行するID数に応じた従量課金制か、人数無制限の定額制か。
- サポート体制:導入後に受けられるサポートの範囲や追加課金の有無。
- 既存コンテンツの内容:実施したい内容の教材が用意されているか。
- セキュリティ:自社のセキュリティ基準を満たせているか。
- マルチデバイス対応:スマートフォン・タブレットでの受講が可能か
ステップ3. トライアル期間・無料プランを活用する
eラーニングシステムの多くには、トライアル期間や無料プランが設けられていますので、本導入の前には、操作性や運用シミュレーションを確認しておくことを強く推奨します。
受講者管理を効率化するためにeラーニングシステムを導入したのに、管理者が使いにくいものを選定してしまうと、業務効率が下がり、負担が増えることになってしまうでしょう。
また、受講者が使いにくさを感じてしまうと、研修そのものに対するモチベーションが低下する要因となります。
長期的な運用を行っていくためにも、管理者・受講者が共に問題なく扱えるかどうか、UI/UXはどうかなどを意識しながらトライアル・無料プランを利用し、eラーニングシステムの選定を行いましょう。
また、スマートフォンやタブレットに対応している場合、PC版と仕様が異なることがあるため、それらの端末で利用するための専用アプリの有無や操作性、利用できる機能などを確認しておくことも大切です。
eラーニングシステムの機能
教材作成・講義に関する機能
- 教材作成:教材テンプレートの使用や自社用へのカスタマイズ、もしくはシステム上で教材を新規作成できる。PowerPointなどの資料をインポートすることも可能。
- 教材管理:作成した教材の配信状況や
- 動画配信機能:教材となる動画を配信する。
- ライブ配信機能:授業・講義をライブ配信する。受講者はコメントで質問することができる。
- ドリル機能:正誤問題や選択問題を繰り返し行うことができる。
- アンケート作成・管理機能:講義終了後の満足度を測るアンケートを作成できる。回答結果はシステム上で管理できる。
- 課題登録・管理機能:受講者に出す課題を登録できる。提出状況の確認や各課題の評価をシステム上で行うことが可能。
- テスト作成・管理機能:授業・講義内容の習熟度を図るためのテストを行うことができる。回答結果はシステム上で管理され、平均点の算出や各設問の正答率を確認することが可能。
受講者情報の管理に関する機能
- 受講・学習管理:講義の受講状況を受講者別に管理できるほか、講義・研修に関する参加申し込みをイベント毎に作成・管理可能。
- 成績管理:各従業員のテスト採点のほか、個人成績を確認できる。
- 個人データベース機能:個人の学習履歴や保有資格情報などを登録し、一覧化する。
- 受講者グループの設定機能:部署や役職、年齢などの要素を基に、受講者をグループ分けできる。グループごとに受けられる講義を設定することも可能。
- スケジュール管理:予定を掲載し、出欠をとることができる。未回答の受講者も表示される。
- インポート・エクスポート機能:個人データベースに登録する情報を、Excelデータからインポート
セキュリティ強化・ユーザー管理機能
- ユーザー管理・アクセス権限:管理者ユーザーの管理、ユーザーごとのアクセス権限設定を行える。
- デバイス制限:アクセスできるデバイスを制限できる。
- ファイル暗号化:アップロードしたファイルを暗号化し、不正なアクセスから保護する。
- SSL・AES暗号化:SSL・AES暗号化通信により、第三者からの不正アクセスと、それに伴う情報漏えいを防止する。
- IPアドレス制限:アクセスできるIPアドレスを制限する。
- 二段階認証:通常のログインパスワード以外にワンタイムパスワードを発行・送付し、第三者による不正なログインを防止できる。
その他の便利な機能
- 掲示板機能:受講者同士が講義内容についてのコミュニケーションを行うことができる。管理者がスレッドを設置できる。
- チャット・メッセージ機能:受講者と管理者がリアルタイムにコミュニケーションをとることができる機能。
- お知らせ・アナウンス管理:受講者に対して一斉または個別にお知らせ・アナウンスを送信することができる。
- メール連携:受講者に対してメールの一括送信・個別送信を、自社のメールアドレスから行える。
- レポート出力:学習状況や成績などのデータをレポートとして出力する。
- 分析機能:教材ごとの視聴数や受講後の満足度を分析可能。
- カレンダー連携:外部のカレンダーと連携し、システム上で設定したスケジュールを自動反映できる。
まとめ
eラーニングシステムはオンライン上で講義を配信でき、時間・場所を問わず均一な質の教育を実施できるツールです。
近年よく搭載されているLMS(学習マネジメントシステム)も含めて、製品によって利用できる教材や機能の幅が異なるため、導入目的や自社で行いたい講義方法に合わせた製品の選定が重要になります。
本記事で紹介した選定ポイントを参考に、自社に最適なeラーニングシステムを比較・検討ください。

