YouTubeでの動画投稿やライブ配信、Twitter・Facebook・InstagramなどのSNS、Webサイト・広告など、インターネット上で動画を目にしない日はありません。ビジネスにおいても、マーケティング、採用・求人、広報、営業、社内報など、あらゆる場面で動画コンテンツを活用する企業が増えてきました。
かつては、高度な編集技術や映像の知識が必要とされていた動画編集・動画制作ですが、視聴・制作ともに需要が高まってきたことから、初心者からプロ仕様、企業向けまで、編集技術の熟練度や目的・用途に合わせた「動画編集ソフト」が次々とリリースされています。
以下、国内外のPC向け動画編集ソフト(制作サービス)について、それぞれの特徴や機能、料金プランを紹介します。選び方や比較のポイント、機能要件などの詳細を確認したい方は、選定ガイドをご参照ください。
まず、動画編集ソフトの利用目的「どんな動画を何のために制作・編集したいのか?」を明確にしておきましょう。数多くの動画編集ソフトは、それぞれが独自のコンセプトで設計されており、異なる特色や得意分野を持っています。多機能で汎用性が高いほど優れているというわけではありません。
高品質コンテンツを作り込んでYouTubeやVimeoなどに投稿したいのか、SNS広告や商品紹介を量産したいのか、営業資料や製品マニュアルを動画化したいのかなど、それぞれの利用目的や編集環境に適した機能が揃ったものが、その人や企業にとってのベストな動画編集ソフトです。
いくつかの注意点を除けば、機能制限がある簡素な無料版ソフトであっても、目的を達成できるのであれば問題ありません。
動画編集ソフトの選定基準・比較のポイント
動画編集ソフトを比較・選定する際のポイントは下記5点です。
- 対応OS・推奨環境
- 使用するパソコンのスペック
- 動画の入出力フォーマット(ファイル形式・拡張子)
- 機能
- 価格・料金体系
どんなに優れた製品でも、利用環境と相性が合わなければ使い物にならない可能性がありますので、必ずチェックしておきましょう。
1. 対応OS・推奨環境
動画編集ソフトを探す際は、最初にOS(WindowsやMac)で絞り込みをかけましょう。気に入ったソフトを見つけても、利用しているOSに対応していなければそのソフトはインストールできません。
また、PCブラウザ上で動画編集ができるクラウド型サービスもあります。こちらはソフトのダウンロードが不要で、クラウド上に動画データを保存することもでき、誰でも直感的な操作で扱いやすく設計されているのが特徴です。
2. 使用するパソコンのスペック
基本的に動画編集は負荷の高い作業となりますので、動画編集ソフトの性能に対してパソコンのスペックが追いついていない場合は、パソコンの増強や買い換えも視野に入れる必要があります。
特に、CPUとメモリ容量は性能が十分でないと、一つひとつの動作に時間がかかって制作効率がガクッと下がるので注意が必要です。
CPUは、高性能であるほど処理動作(起動・編集・保存)が速くなります。動画編集用のパソコンを新しく購入する場合、Intel 第9世代以降のCore i5かCore i7を選ぶようにしましょう。Core i9は、VR動画クリエイターやCGデザイナーといった高度な技術を利用する上級者向けです。
一方で、メモリ容量は、必要以上に余裕を持たせても性能は上がりませんが、最低でも8GBは欲しいところです。動画の解像度や編集内容によって必要な容量が変わります。目安は下記の通り。
| メモリ8GB | 動画編集ソフトのみの起動であれば問題なく使える 一部不向きなソフトもある Webブラウザや他のアプリケーションを起動すると動作が重くなる |
| メモリ16GB | フルHDの編集には十分な容量 複数アプリケーションを起動しても快適に使える 4K動画や高解像度の画像処理は動作がやや重い |
| メモリ32GB | 4K動画や高解像度の画像処理にも耐えうる容量 |
3. 動画の入出力フォーマット(ファイル形式・拡張子)
動画編集ソフトで取り扱えるフォーマットをチェックしておくことも重要です。
- 入力:動画編集ソフトに取り込む素材データ(画像・音声・動画)のファイル形式
- 出力:動画編集ソフトで編集した動画を書き出すファイル形式
YouTubeやSNSに動画をアップロードする場合は、それらの外部サービスでサポートされているファイル形式で動画の書き出しを行います。無料版では対応ファイルの種類が制限されることが多いですが、MP4、MPEG4、MOVのどれかは押さえておきたいところです。
また、動画編集ソフトによっては、4K映像やGoProなどの特殊カメラの録画フォーマットを取り扱えないことがあります。スタンダードなビデオカメラやスマホであれば特に問題ありませんが、動画制作に撮影を伴う場合は、使用するカメラの録画フォーマットも確認しておきましょう。
4. 機能
編集機能が多くなるほど、動画の細かいところまでこだわりが出せますが、動画編集の熟練度に見合わなければ、どれだけ豊富な機能も宝の持ち腐れになってしまいます。
最初に設定した動画編集ソフトの利用目的「どんな動画を何のために制作・編集したいのか?」に立ち返って、制作したい動画をイメージし、どの機能が必要になるかを洗い出してみましょう。
動画編集のレベルを高めることが目的で、「現段階では使いこなせなくても、将来的に編集のレベルを上げていきたい」という場合は、機能を後から拡張できるタイプの製品を選ぶのがおすすめです。
5. 価格・料金体系
動画編集ソフトの料金体系は以下の3パターンに分けられます。
- 買い切りタイプ:パッケージソフトを購入する
- サブスクリプションタイプ:利用ライセンス料として月額、あるいは年額を支払う
- チケットタイプ:オンラインで制作した動画をダウンロードする際に料金が発生する
チケットタイプは、個別相談で目標設定から素材の提供、撮影やナレーションの手配、制作・運用代行などを依頼できる企業向けの動画編集・制作サービスです。
買い切りタイプの価格帯は1万円~3万円ほど。必要であれば、素材やエフェクト、テンプレート、その他の機能の拡張パックを追加で購入することができます。
一方で、サブスクリプションタイプは月額もしくは年額を支払い続けるため、トータルコストで見ると買い切りタイプよりも高くなりますが、常に最新のバージョンを利用し続けることができ、新しいフリー素材やエフェクトが追加され続けるといったメリットがあります。
さらにそれぞれの価格帯は、搭載されている機能の種類や数によって数段階に分けられていることが多く、「複数ライセンスの大口割引」や「法人向け特別価格」が設けられていることもあり、動画編集頻度や利用人数などの状況によって変動します。
一概に「買い切り」と「サブスク」のどちらが得になるかは言い切れず、製品候補を決める初期段階ではあまり価格帯にこだわり過ぎない方がいいでしょう。
動画編集ソフトの機能一覧
最後に、動画編集の機能やサービスを比較する際に、最低限押さえておきたい基本用語をまとめておきます。
最低限押さえておきたい基本的な編集機能
- オーディオ編集:BGMや音声ファイルの取り込み・編集を行える。
- 文字入れ:テキストを動画に挿し込むことができる。
- カット機能:動画の不要な部分をカットして繋げることができる。
- トリミング機能:動画の一部分を切り出すことができる。(先頭と最後をカット)
- エフェクト搭載:BGMや効果音、アニメーション、光効果などが利用できる。
動画のクオリティを高めるこだわりの編集機能
- トランジション:複数クリップのつなぎ目に切り替え効果を挿入できる。
- ビデオクリップ補正:動画の色味を補正し、動画全体に統一感を出せる。
- 動画合成:動画素材を重ねて、動きを出したり重厚な印象に仕上げられる。
- クロマキー合成:特定の色のみを非表示にし、合成しやすくする。ブルーバックやグリーンバックと合わせて使用されることが多い。
- ネスト編集:複数の動画をソフト上で1つに合成し、エフェクトをまとめてかけることができる。
- オブジェクトトラッキング:配置したオブジェクトを、指定した人や物に対して追従させることができる。
動画編集を効率化するサポート機能
- テンプレート:アニメーションやテロップ、エフェクトがパッケージされたサンプル動画を利用し、画像やテキストなどの素材を挿入・編集する。
- AI搭載:素材の自動検索・マッチング、音声の自動テロップ化、エフェクトの提案などのサポートを行なってくれる。
- SNS連携:YouTube、Twitter、 FacebookなどのSNSアカウントと連携し、ファイルの書き出しを行なわずに直接アップロードできる。
- プラグイン追加:素材や編集機能を拡張できる。
- ソフト内学習教材:実際に操作しながら動画編集を学べるマニュアルが搭載されている。
まとめ
以上、おすすめの動画編集ソフトとその選び方についてご紹介しました。それぞれ特徴や搭載機能が異なりますが、ご自身が制作したいと考えている動画に合うものや、ビジネスでの活用シーンはイメージできたでしょうか。
文章や画像に比べて、動画が伝える情報量は圧倒的に多く、1秒にも見たない映像と効果音だけでも、視聴者にメッセージを与え、印象を残せることもあります。
何を目的に動画を制作したいのか、誰に向けてどんなことを伝えたいのか、動画を発信する先にどんな結果を求めているかを明確にし、適切な動画編集ソフトや制作支援サービスを比較してみてください。



