レンタルサーバーは、WordPressやホームページを公開する際にデータのアップロード先となるサーバー設備の全部または一部をレンタルできるサービスです。
自社のホームページやECサイトの作成、メールアドレスの作成、独自ドメインの取得など、その用途は多岐に渡りますが、安定したサイト運営やユーザー管理を行うには、目的に合ったスペックやサービス内容のレンタルサーバー選びが重要です。
以下、レンタルサーバーについて、それぞれの特徴や機能、料金プランを紹介します。選定に際して、比較のポイントや機能などの詳細を確認したい方は、選定ガイドをご一読ください。
レンタルサーバーの種類
レンタルサーバーは、大きな分類として以下の4種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。
- 共用サーバー
- 専用サーバー
- VPS
- クラウドサーバー(IaaS)
共用サーバー
共用サーバーは、レンタルサーバーの中でも最もポピュラーなタイプのサーバーです。
1台のサーバーをユーザー複数で共用するため、専用サーバーに比べて安い費用で利用できます。OSや利用環境もあらかじめ設定されているので、ゼロからサーバーを構築するよりも手間や時間を節約することも可能です。
サーバーの運用管理はホスティングサービス会社が行うので、プログラミングに関する専門的な知識も必要なく、初めてレンタルサーバーを運用する場合に適しています。
ただし、複数のユーザーで1つのサーバーを共有するため、使用できる容量が少なく、別のユーザーが開設しているサイトが大規模なものであれば、通信速度が遅くなる、サーバーがダウンしやすくなるなどのデメリットがあります。
専用サーバー
専用サーバーは、1台の物理サーバーのリソースをユーザーが独占して使うことができるレンタルサーバーです。管理者権限があるものと、管理者権限がないものの2種類があります。
管理者権限がある専用サーバーは、必要に応じてソフトウェアのインストールや設定の変更を行うことができるため、共用サーバーやVPS、管理者権限のない専用サーバーよりも拡張性や性能の面で有利です。ただし、サーバーの運用を自社で行わなければいけないので、プログラミングに関する専門的な知識が必要になります。
管理者権限のない専用サーバーは、共用サーバーと同様にホスティングサービス会社が運用管理を行います。そのため、専門的知識がない場合でも利用可能です。
専用サーバーは、1台の物理サーバーを独占して使用するため、共用サーバーやVPSに比べ、導入費も継続利用料も高くなります。
VPS
VPSは、物理サーバー内にいくつもの仮想サーバーを構築しているレンタルサーバーです。
1台の物理サーバーを複数人で共有するため、共用サーバーに近い性質を持っていますが、同じサーバーを使用しているユーザーが大規模なサイト運用を行っていたとしても、お互いに干渉しないため、処理速度が早いという特徴があります。
仮想サーバーを独占して使えるため、専用サーバーのような自由度がありますが、専用サーバーに比べると使用できる容量は少ないです。
レンタルサーバーとクラウドサーバー(IaaS)の違い
クラウドサーバー(IaaS:イアース)は、レンタルサーバーと同様に、ホームページを公開するためのサーバーをレンタルするサービスです。
サーバーをレンタルできる、という部分に関しては共通していますが、レンタルサーバーが物理サーバーの一部、もしくは全部をレンタルするのに対して、クラウドサーバーはクラウド上に構築した仮想サーバーをレンタルするという点で異なる特徴を持っています。
クラウドサーバーには、必要に応じたリソースの追加・ネットワーク構成の変更など、柔軟にサービスの拡大や縮小が可能という強みがあり、一時的なアクセス過多が予想される、ECサイトやソーシャルゲームなどのサービスにおいて高い効果を発揮する場面が多いです。
しかし、料金体系は従量課金制のものが多く、長期的な継続利用を行うと通常のレンタルサーバーよりも維持費が多くかかってしまうというデメリットもあります。
レンタルサーバーの比較検討ポイント
レンタルサーバーには様々な種類があり、それぞれ仕様が異なります。
サイトの規模はどの程度か、アクセス数はどの程度を想定しているかなど、レンタルサーバーの利用目的を明確にした上で、以下のポイントを比較しましょう。
- サーバー容量
- 通信速度
- アクセス数の上限
- ホスティングサービス会社のサポート体制
- 無料プラン・トライアルの有無
サーバー容量
サーバー容量の大きさで、レンタルしたサーバーにどれだけの情報(画像・動画・文字)をアップロードできるかが決まるため、作成するサイトの規模を明確にした上で適したサービス・プランを選びましょう。
通信速度
サーバーの通信速度は、ユーザーエクスペリエンス(UX)・SEOに影響する重要な要素の一つです。
通信速度によってホームページの表示速度が変わるため、ホームページの通信速度が遅ければ、ユーザーが早期に離脱してしまう原因になってしまうからです。
ユーザーの早期離脱率が高ければ、ユーザーエクスペリエンス(UX)が低いと評価され、SEOにも悪影響を与えてしまいます。
通信速度に特化したレンタルサーバーもありますが、WordPressのプラグインで高速化するという方法もありますので、そちらも併せて検討しましょう。
アクセス数の上限
各サーバー会社は、自社が運用する共用サーバーに「同時アクセス数」を設けています。
アクセスが集中すると、サーバー全体に負荷がかかり、同一のサーバーを利用して公開されているホームページ全てが表示されなくなってしまう(サーバーがダウンしてしまう)からです。
アクセス数の上限は、そのホスティングサービス会社が扱うサーバー、または共用サーバーか専用サーバーかによって異なるため、導入前には必ず確認しておきましょう。
ホスティングサービス会社のサポート体制
ホームページを運用していると、サーバーダウンやサイトの乗っ取り、不正アクセスなどのトラブルが起こることがあります。
共用サーバーや管理者権限のない専用サーバーの場合、それらへの対応を行うのは、基本的にはホスティングサービス会社なので、トラブルが発生した場合には連絡を取り、解決してもらわなければいけません。
24時間問い合わせに対応しているか、電話受付・メール受付の有無、バックアップの復旧対応など、サービスごとにどのようなサポート体制を整えているのかを確認しておきましょう。
トライアルの有無
レンタルサーバーの導入を検討するのであれば、、無料プランやトライアル期間の利用など、仮導入をしておくことを推奨します。
サーバーの管理担当者は、管理画面の操作性やページの表示速度を入念に確認しておきましょう。長期的に運用できるか、属人的にならないかという視点を持っておくと良いでしょう。
また、サーバーのCPUや処理速度などのマシンスペックは、理論値だけでなく、実際の環境でそのパフォーマンスが発揮できるかどうかも重要です。
レンタルサーバーの機能
最後に、レンタルサーバーの機能を「ホームページ作成・運用に関する機能」と「メール管理に関する機能」、「セキュリティに関する機能」の3つにまとめて紹介します。
ホームページ作成・運用
- CMSのインストール機能:本契約後、WordPressやEC-CUBEといったCMSをインストールすることができる。
- WordPress移行機能:別サーバーで開設しているWordPressのデータを移行できる。
- コントロールパネル:コントロールパネルでサーバーの設定を操作できる。
- 独自ドメイン取得:作成したホームページのURLを設定できる。
- マルチドメイン:1つの契約に対し、複数のドメインを取得できる。
- MySQL連携:MySQLと連携し、ホームページ内にショッピング機能を追加できる。
- ストレージバックアップ:ホームページを更新した際のバックアップを自動で保存する。
- アクセスログ機能:アクセス者のIPアドレス、ウェブブラウザ、OS、アクセス時間、アクセス元のドメインなどが記録される。期間内のアクセス数や訪問経路などの情報を分析できる。
- FTP転送:サイトの更新データを自動で転送し、反映できる。
メール機能
- メールアドレスの作成:オリジナルメールアドレスを作成できる。
- メールサーバー:メールの送受信を行えるサーバーを設置する。
- メール転送:作成したメールアドレスに送られてきたメールを、別のメールアドレスに転送する。
- 自動メール返信:あらかじめ設定しておいた内容で、メールを自動返信する。
- 迷惑メールフィルタ:スパムメールの疑いがあるメールをフィルタリングする。
ユーザー管理・セキュリティ対策
- SSL証明書:サイトを常時SSL化するための証明書を取得。
- ユーザーアクセス制御:管理者としてアクセスできるユーザーを制限できる。
- IPアドレス制限:海外のIPアドレスからのアクセスを制限し、不正アクセスやサイトの乗っ取り・改ざんを防ぐことができる。
- 二段階認証:通常のパスワード以外にワンタイムパスワードなどを発行し、不正アクセスを防ぐことができる。
- VPC:使用可能ユーザーを限定した仮想ネットワーク環境を構築できる。
- リアルタイム監視・セキュリティ診断:サーバーの状態やセキュリティに関する脆弱性をリアルタイムで監視・診断し、問題が起こった場合に通知、もしくは対策を行ってもらえる。
- Webアプリケーションファイアウォール(WAF):WebサイトやWebアプリケーションへの一般的な攻撃を検知および防止する。
- ウイルスチェック:アップロードしたファイルやメールにウイルス感染のリスクがないかを自動的にチェックする。
まとめ
- サーバー構築費が不要なため、自社でサーバー設備を構築するよりも安価でサーバーを利用可能。
- プログラミングに関する専門知識やスキルがなくても、インターネット上にホームページを開設できる。
- サーバー管理はホスティングサービス会社が行うため、人的リソースの削減につながる。
- サーバーのCPUやメモリ、ストレージ容量といったマシンスペックを自社のニーズに合わせて増強できる。
レンタルサーバーは、初期費用・月額費用ともに、自社開発に比べて非常に安く利用することができます。提供されているレンタルサーバーはさまざまで、搭載されている機能やオプションも製品ごとに異なり、その中でも適した製品を選定することで、さらなるコスト削減も実現可能でしょう。
本記事の比較・選定ポイントを参考にしながら、自社に最適なレンタルサーバーを比較・検討ください。