タスク管理ツールは、個人やチームの業務を作業単位(タスク)に分割して、現在の仕事量や進捗状況を可視化するツールです。
主に以下のような機能を備えています。
- タスク・ToDoリストの作成
- チームメンバーのタスク管理・タスク依頼
- ファイルやドキュメントデータの管理
- コミュニケーション、ノウハウ共有
以下、国内外のタスク管理ツールについて、それぞれの特徴や機能、料金プランを紹介します。製品の選定に際して、基本機能や導入メリット、選び方などの詳細を確認したい方は、選定ガイドをご一読ください。
テレワークの普及により、業種・業態に寄らずリモート環境でのプロジェクトやチーム作業が増えてきた中、個々の進捗状況や全体像との関連性をひと目で把握できるタスク管理ツールが注目を集めています。
例えば、以下のような状況・課題に対しては、ツールの導入が有効です。
- チームメンバーが増えて、タスク管理の割り当てや優先順位付けの難易度が高まった。
- マネージャーがメンバーに、タスクの進捗状況やリソース状況を個別で確認している。
- バックオフィスや営業などで急な業務が増えた際に、担当者が明確になっておらず、対応までに時間を要したり、対応漏れが発生することがある。
- 業務が属人化している部分があり、メンバーによっては業務の内容やリソース感が見えにくい。
本記事では、タスク管理ツールについて、その役割や活用メリットをわかりやすく解説しています。また、製品の選び方や比較のポイントも紹介していますのでぜひご参照ください。
タスク管理ツールとは
タスク管理とは、個人やチームの業務を作業単位(タスク)に分割し、個々のやるべきタスクに優先付けをして仕事の効率化を図ることです。ToDo管理とも言われます。
従来のタスク管理は、スケジュール帳にToDoリストを書き込んだり、ノートに付箋紙を貼り付けたりといった方法で、個人がそれぞれのタスクを整理するのが一般的でしたが、タスクの変更に臨機応変に対処しづらく、全体からの達成率が見えづらいという課題がありました。
また、プロジェクトを計画通りに進めていくには、個々のタスクを然るべき順序で着実に遂行していくことが求められます。チームで業務を進める場合、メンバー同士で進捗状況や全体スケジュールを把握し、タスクの変更や修正があった際には、各メンバーが速やかに対応できる状態にあることが望ましいです。
こういった「タスクと進捗状況の可視化」と「リアルタイムの情報共有」のニーズに応えるのが、タスク管理ツールです。タスク管理ツールを活用すると、今まで個人がバラバラで管理していたタスクやその関連情報をチーム内で可視化・共有することができます。
もともとは、システム開発やWebサイト制作などのプロジェクトで、PM(プロジェクトマネージャー)がITエンジニアを取り纏めるために活用されることがタスク管理ツールですが、近年は、在宅勤務やリモートワークなどの普及により、オフィスに集まらなくても情報共有やタスク管理を行える環境が求められるようになり、どこからでもアクセス可能なタスク管理ツールの活用がさまざまな部門・業種で広まっています。
タスク管理とプロジェクト管理の違い
タスク管理ツールと並列して紹介されることが多く、混同されやすいものに、プロジェクト管理ツール があります。
ビジネス現場で使われるタスク(Task)とは、「作業」や「課題」のことを指し、また仕事の最小単位としても捉えられます。一方で、プロジェクトとは「ある目標を達成するための計画、あるいはそれを実行するチーム」のことです。
大枠の計画からプロジェクトを達成するのに必要な具体的な作業(タスク)と、遂行するメンバーを決定し、それらのタスクを完了していくことで、最終的にプロジェクトが達成されます。
タスク管理はプロジェクト管理の構成要素の一部
端的に言うと、プロジェクトはタスクの集合体ということになりますが、プロジェクトを計画通りに進めていく上で必要なのは、進捗管理(タスク管理)だけではありません。業種・部門によって重視すべき項目は異なりますが、本来のプロジェクト管理は、人員管理、課題管理、コスト管理、リスク管理、品質管理など、管理しなければならない対象は多岐に渡ります。
特に、複数のチームで構成される大規模プロジェクトを管理する場合、多数のプロジェクトを並行して管理する場合、管理項目が多くタスク同士の関連性が複雑な場合は、タスク管理機能だけではプロジェクトを運営しきれないこともあるでしょう。
そのため、プロジェクト管理ツールは、ガントチャートやレポートの作成による分析機能、予実管理、リソース管理など、プロジェクトを効率的に進めるために必要なより多くの機能が集約されていることが多いです。
製品カテゴリーとしては明確に区別されないことが多い
厳格に定義付けをすると、タスク管理ツールは、プロジェクト管理ツールに含まれる1つの機能を抜き出したものということになります。
しかしながら、ツールの名称として、「タスク管理ツール」 と 「プロジェクト管理ツール」 が明確に区別されないこともあり、”プロジェクト管理ツール”と称しても遜色ない機能が揃っているのにもかかわらず、”タスク管理ツール”として打ち出している製品も多いです。また、タスク管理機能に特化したプロジェクト管理ツールもあります。
名称のみでは判別しにくいため、自社のプロジェクトやチーム業務に必要とされる機能は何か、検討中の製品・サービスにはどんな機能が搭載されているか、といった「機能」を基準にしてツールの選定を行うようにしましょう。
タスク管理ツールの導入メリット
タスク管理に専用ツールを活用することの強みは、目標達成に必要な個々のタスクを全て可視化し、さらにチームで共有できることです。
このタスク管理ツールの特性により、次のような導入メリットを得られます。
- 個人のタスク管理能力や目標意識の向上
- 無駄の削減・業務効率化によるチームの生産性向上
- プロジェクトリーダーのマネジメント負荷軽減
1. 個人のタスク管理能力や目標意識の向上
何事も行動に対する目的意識が明確でないと、継続的に物事に取り組むモチベーションは低下していきます。仕事においては、目の前のタスクに対して、「今この作業を何のために行なっているのか(なぜ必要なのか)」を本人が理解していることが重要です。
タスク管理ツールでは、一つひとつのタスクと業務全体の関連性が可視化されるため、目的を見失うことなく、進捗状況を確かめながら業務に取り組むことができます。また、業務を分割してタスク化することで、小さな達成を味わいやすくなることで、自信やモチベーションの維持にも繋がるでしょう。
またタスク管理ツールは、今までタスク管理を行ったことがない人や苦手意識がある人でも、効率的なタスク管理が簡単に行えるように設計されています。全体像を確認しながらタスクの作成・編集を行うことができ、その際にも必要な入力項目(タスクの期日、内容、関連タスクなど)があらかじめ準備されているため、はじめてでもタスク管理に取り組むハードルはさほど高くないでしょう。次第に自分に最適なタスク管理スキルを向上させていくことが可能です。
タスク管理は立派なスキルの1つであり、全員が自分でタスクの組み立てや管理を上手にこなせるわけではありませんが、不得意な方でもツールの活用によってタスク管理の方法を学び、次第に管理能力を高めていくことも期待できます。
2. 無駄の削減・業務効率化によるチームの生産性向上
タスク管理ツール上では、個人単位だけでなく、プロジェクトや部門ごとにタスク管理を行うことも可能です。これまで個人で管理してきたタスクが可視化され、チームメンバー全員が1つのツール上で各タスクの進捗状況や業務の全体像を把握できます。
チーム内でタスク同士の関連性が見えるようになることで、各自が抱えているタスクの優先度が明確になり、プロジェクトを最短ルートで着実に進めていくことができます。
また、チームメンバーのリソース状況を確認しながら、タスクの追加依頼をすることもでき、依頼されたタスクはそのまま自分のタスク管理表に反映されるため、タスク漏れの心配もありません。
このように、進捗報告やリソース確認の手間、不要な作業やタスクの重複、情報共有のタイムロスがなくなることで、業務効率は大幅に改善されるでしょう。各々のタスク管理が習慣化されると、チームの情報共有意識はさらに向上し、社内コミュニケーションが活性化されるのもメリットの1つです。
3. プロジェクトリーダーのマネジメント負荷軽減
プロジェクトリーダーは、タスク管理ツールを利用して、以下のプロセスを実施することができます。
- 全体の目標達成に必要なタスクをリストアップする。
- 各タスクの優先順位と期日を設定し、各メンバーのスケジュールに落とし込む。
- 適宜、タスクの修正・追加・変更を行う。
各メンバーが割り当てられたタスクを期日通りに完了していくことで、効率的に業務を進めることができ、マネージャー(プロジェクトリーダー)は、業務全体の達成度や個々の進捗状況を見ながら、リソースの割り当てやスケジュールを最適化していきます。
メンバーに1人ずつ状況をヒアリングしたり、定例ミーティングで進捗報告に時間を費やす必要はありません。マネージャーの進捗管理にかかる負荷が大幅に軽減されることで、現状分析や目標修正など、他のマネジメント業務にリソースを割くことができます。
また、目標達成率や残りのタスク数などをリアルタイムで把握できるため、遅延や停滞の兆しが少しでも見えれば、先手の施策を打つことが可能です。タスクの急な変更や追加時に、素早く担当者を割り当てるといったこともできるでしょう。
タスク管理ツールの選び方
タスク管理ツールは、シンプルな機能構成のものから拡張パックまで選択肢が幅広く、多機能になるほど業務上の汎用性は広がっていきます。
ただし、機能の豊富さのみに着眼すると、自社の業態に不必要な機能が含まれていて運用コストが嵩んだり、一部の人しか使いこなせないような機能が多くて運用が定着しなかったりすることがあります。
まずは、自社のタスク管理に関する課題・ツールの導入目的を明確し、自社のニーズを満たす機能を提供してくれる製品を探し出すことが重要です。
- とにかくタスク数が多くて誰が何をやっているか把握しきれない
- 突発的に発生する諸業務に担当者を割り当てられず、遅延や停滞が起こっている
- 情報共有が円滑に進まず、1人ずつの進捗確認に時間を奪われ過ぎている
現状、何が原因でタスク管理が非効率になっているのか、どの部分に無駄なリソースを割いているのか、業務上どんな問題が発生しているのかなど、現状課題を分析して細かく明文化してみましょう。
タスク管理ツールの比較・選定ポイント
タスク管理ツールを比較・選定する際のポイントは下記4点です。
- 機能|効率化させたいプロセスは何か
- 操作性|マネージャー視点のみで判断しないように注意
- 外部サービスとの連携
- 利用人数|機能の拡張性や料金体系に影響
自社の現状課題やチーム体制などを整理し、導入目的を明確にした上で、それぞれのポイントを押さえた比較検討を進めていきましょう。
1. 機能|効率化させたいプロセスは何か
数多くのタスク管理ツールは、それぞれタスクの管理項目やその他の搭載機能が開発元によってバラバラです。導入先の部門やプロジェクト領域、効率化させたいタスク管理プロセスから、必要となる機能や重視すべき特性を洗い出してみましょう。
例えば、テレワーク制度を導入している経理部門などでは、タスクに関連付けるファイルやドキュメントデータの管理機能や、コメント・メッセージ機能の充実度を重視するといったことです。
また、チーム構成がITエンジニア中心となるシステム開発のプロジェクトでは、タスク設計やスケジュール管理の自由度が高いツールが好まれます。タスクの重要度やステータスをラベル付けしたり、1つのタスクのプロセスを細分化してサブタスクを設定したりといった管理項目の豊富さも選定基準となってくるでしょう。
2. 操作性|マネージャー視点のみで判断しないように注意
ユーザーがストレスなくツールを利用できるかどうかは、タスク管理ツールを選定する上で非常に重要です。デモ版や試用期間などを利用して、管理画面の見やすさや操作性、動作の軽さなどを一通り検証しておくことをお勧めします。
ここで注意すべきは、マネージャーだけの視点で使い勝手の良さを判断しないことです。いくら優れた管理機能が揃っていても、メンバーが有効活用できなかったり、使いにくいと感じて定着しなかったりすると、費用対効果が想定よりも下がってしまいます。
もともと、管理が困難だった細切れのタスクを可視化し、チーム業務を効率化するためのツールですので、タスク管理自体が苦痛に感じてしまったり、連係ミスが発生してしまうようでは本末転倒です。
また、スマホやタブレットからもタスクの編集や閲覧を利用したい場合、また専用アプリがある場合は、そちらの操作性とともにスマホ版で利用できる機能(機能制限)も確認しておきましょう。
3. 外部サービスとの連携
タスク管理ツールの中には、グループウェアやビジネスチャット、カレンダー、オンラインストレージなど、外部のWebサービスや社内の業務システムとアカウント連携ができるものがあります。
連携できるサービス・システムは製品によって異なりますが、例えば、タスク管理ツール上でWeb会議のセッティングやメンバー招待を行う、タスクの依頼や変更・更新などの通知をビジネスチャット上で受け取るといったことです。
アプリケーションの起動や切り替えが必要なく、社内システムを統一させれば業務効率の向上にも繋がるため、こちらも選定基準の1つとして検討してみるといいでしょう。
4. 利用人数|機能の拡張性や料金体系に影響
タスク管理ツールを個人に割り当てるのか、チームやプロジェクト別に複数人で利用するのかによって、ツールのシステム設計や料金体系が変わってきます。
製品によっては、登録できるユーザー数やプロジェクト数の上限が決まっているものもありますので、スモールスタートで将来的に導入規模を広げていくのであれば、想定される最大利用人数やプロジェクト数(チーム数)も明確に定めておきましょう。
タスク管理ツールの機能
ここで紹介する機能は、主に個人・チームの仕事量や作業の進捗状況を可視化する「タスク管理」に関連する機能です。
スケジュールが長期的で大規模なプロジェクト、または複数のプロジェクトを管理したい場合は、ガントチャートの自動作成、リソース管理、コミュニケーションツールとの連携など、より多くの機能を備えた「プロジェクト管理ツール」をご参照ください。
タスク管理機能
- タスク管理(課題管理):メンバーのタスクを作成し、内容詳細、期日を割り当てる。
- マイタスク(ToDoリスト):自分が担当するタスクのみの管理ページ
- サブタスク設定:タスク完了までのプロセスを細分化して設定できる。
- 文書・ファイル管理:ファイルやドキュメントデータをタスクに関連付けて保存、共有できる。
- ラベル設定:タスクごとに「優先度:高」「ペンディング」などのラベルの作成・設定ができる。
- コメント:タスクやファイルにコメントを付けたり、担当者とメッセージのやりとりができる。
- 自動督促:期日を過ぎたタスクへの督促、または期日の近づいているタスクの事前通知を設定できる。
- 通知アラート:タスク開始日や期日の事前通知、フォローしたタスクの更新通知を設定できる。
内部統制・セキュリティ対策の強化
- ユーザー管理:プロジェクトメンバーの登録・削除、権限設定ができる。
- ログ出力:いつ、誰が、どんな操作を行ったかが記録・管理できる。
- デバイス制限:会社が許可した(管理下にある)デバイスのみ、システムにログインできる。
- SSL・AES暗号化:ネットワーク上の通信データを暗号化し、悪意ある第三者による盗聴や情報の改ざんを防止する。
- 利用権限機能:ユーザーごとに機能の操作権限を設定できる。(タスクの作成・閲覧・編集・コメントなど)
- ニ段階認証:ログイン時にID・パスワードだけでなく、登録した電話番号へ送信した確認コード入力などの本人確認要素を設定し、なりすましを防ぐ。
情報共有・その他の便利機能
- 掲示板:ノウハウ共有や意見交換、情報発信ができるフォーラムやチャット。
- Wiki:会議の議事録、仕様書など、プロジェクトに必要なデータを登録できる。
- モバイルアプリ対応:外出先からプロジェクトやタスクを管理したり、コメントやメッセージを送ったりできる。
- 外部連携機能:外部のサービスツールやシステムと連携し、データの同期・統合を行うことができる。ワークフロー、オンラインストレージ、カレンダー、グループウェア、会計管理システムなど。
まとめ
タスク管理ツールは、タスクの自己管理と課題のチーム内共有により、然るべき順序で効率的に業務を遂行していくために欠かせないツールです。
- 業務の全体像と個々のタスクの関連性が可視化され、メンバーが目的意識を持ってタスクに取り組むことができる。
- マネージャーのタスク管理に要する負荷が大幅に軽減され、そのぶん現状分析や目標修正など、他のマネジメント業務にリソースを割くことができる。
- 各メンバーのタスクや達成度、進捗状況を視覚的に管理することで、業務フロー改善やリソース最適化などの施策を打ちやすい。
- 1つのツール上で各タスクの進捗状況や業務の全体像を把握できるため、タスク漏れや情報共有のタイムロスがなくなり、チームの生産性が向上する。
近年は、テレワーク制度や在宅勤務が拡大していることもあり、リモート環境でのチームタスク管理(タスクの割り当て、進捗管理、情報共有など)の機能やその仕組みが整備されているタスク管理ツールの需要はさらに高まっていくでしょう。
本記事の選定ポイントを参考に、自社課題や導入目的を軸にして、チームに最適なタスク管理ツールをご検討ください。