カゴ落ち対策ツールは、商品をカートに入れたものの購入せず離脱したユーザーに対し、再来訪や購入検討の機会を提供するツールです。
主には下記のような機能を備えています。
- リマインドメールの自動送信
- リターゲティング広告の配信
- ブラウザ離脱を呼び止めるポップアップの表示
- 放棄アイテムや行動履歴のデータ集計・分析
以下、カゴ落ち対策ツールについて、それぞれの特徴や機能、料金プランを紹介します。製品の選定に際して、導入メリットや基本機能、選び方などの詳細を確認したい方は、選定ガイドをご参照ください。
カゴ落ち対策ツールは、ECサイトなどでユーザーが商品をカートに入れた後、購入せずにサイトを離脱する行為「カゴ落ち(カート落ち・カート放置)」に対し、サイトの離脱防止や購入再検討の対策・仕組みを提供するツールです。
本記事では、カゴ落ち対策ツールについて、その役割や導入メリット、基本機能を紹介しています。
カゴ落ちとは
カゴ落ちとは、ユーザーがECサイトなどの商品を一度はカートに入れたにもかかわらず、購入に至らずにそのままサイトを離脱してしまう現象のことです。カート放置・カート落ちとも言われます。
サイトへの集客は伸びているのに売上が低迷しているという場合、カゴ落ちが高確率で発生している可能性があります。
ECサイトにおけるカゴ落ちの現状
デンマークの調査会社Baymard Instituteの調査資料「44 Cart Abandonment Rate Statistics」によると、ECサイトのカゴ落ち率の世界平均は69.8%(最終更新2020年)となっています。
カゴ落ちは、購入意欲が高い顧客を逃す大きな機会損失です。あと一歩の機会損失が7割近くも発生していると考えると、その損失金額は現状売上の2倍以上にものぼる可能性があります。
ユーザーがサイトを離脱する理由
カゴ落ちは必ず何らかの理由があって発生しています。ユーザーが商品をカートに入れたままサイトを離脱する理由としては、たとえば以下のようなものが挙げられます。
- カートに商品を入れたことを忘れた
- カートをお気に入りや購入候補のリスト代わりに使っていた
- 決済手順や入力フォームが複雑で面倒になって離脱した
- 希望する決済方法が選択肢になかった
- 商品やサイトに対する疑問や不安を解消しきれなかった
- 価格を比較して他社サイトからの購入を決めた
- 受け取り希望日に配送が間に合わないことを知って購入を止めた
考えられる理由ごとに適切な対処を行うことができれば、自社サイトのカゴ落ち率は下がっていくでしょう。
カゴ落ちの原因から見る適切な対策
カゴ落ち対策の難しいところは、カゴ落ちの原因によって適切な対策が異なり、原因の分散具合や対策の優先度によっては複数の対策ツールが必要になるところです。
商品そのものの信頼性や価格設定などを除き、Webサイト上で行える対策は大きく分けて3つあります。
| 対策 | カゴ落ち発生の原因 |
| 離脱防止と購入のリマインド | ・複数サイトを比較中にカート内の商品のことを忘れた ・お気に入り商品リストとしてカートを使っている ・カゴ落ちの発生率や原因が不明 |
| 決済手順や決済フォームの改善 | ・決済手順や入力項目が複雑 ・決済方法の選択肢が少ない |
| 商品説明やサイト全体の見直し | ・商品やサイトに対する疑問や不安 ・想定外の手数料や会員登録の手間 |
以下、それぞれの対策によって解消できる課題(カゴ落ちの原因)と、その対策に適したツールを解説します。
1. 離脱防止と購入のリマインド
気になる商品を集めて備忘録代わりにカートを使ったり、複数のサイトを見比べているうちにそのまま離脱したりして、カートに商品を入れたことを忘れてしまったユーザーには、カートに商品が残っていることを知らせる「リマインドメール(カゴ落ちメール)」が有効です。
カゴ落ち対策ツールでは、カートに入れていた商品やカゴ落ちの発生状況に応じて、適切な内容のリマインドメールを適切なタイミングで自動送信してくれます。
そのほか、カートに商品を入れたまま一定時間放置していると、離脱を呼び止めるポップアップ表示や、サイトへの再来や商品の再検討を促すリターゲティング広告なども、カゴ落ち対策ツールの機能です。
2. 決済手順や決済フォームの改善
カートに商品を入れ、決済まで進んでいたのにもかかわらず離脱が発生した場合は、決済フォームに何らかの改善ポイントがあります。
決済フォームでユーザーの入力ストレスを軽減し、入力途中の離脱率を低減するには、EFOツール(入力フォーム最適化ツール)の導入が有効です。
また、希望する決済方法がなく離脱してしまうケースもあるでしょう。全てを導入することは難しいかもしれませんが、決済方法の選択肢は多いほど、ユーザーの取りこぼしは少なくなります。オンライン決済サービスでは複数の決済方法を一括で契約・管理することが可能です。
※ただし、決済フォームや決済方法は、ECサイトの構築に利用しているASPカートに依存していることが多く、簡単にシステムを変更できないこともあります。
3. Webサイト全体の見直し
買い物途中でサイトに不安を抱いたり、商品・サービスに対する疑問を解消しきれなかったり、また決済への進み方がわからなかったりすると、ユーザーは購入を諦めてサイトを離脱してしまいます。
こういった疑問や不安の解消には、Webサイト全体の構造やシステムを見直した方がよい場合があります。応急処置としては、FAQや問い合わせフォームの設置のほか、担当者がWebサイト上のチャットシステムを使ってコミュニケーションを取るWeb接客ツールの活用などが考えられるでしょう。
カゴ落ち対策ツールの導入メリット
カゴ落ち対策ツールの導入メリットは以下の2点。
- 売上に直結する
- すぐに導入できる
1. 売上に直結する
前述の通り、ECサイトにおけるカゴ落ち率の世界平均は約70%です。あくまで平均であり、サイトによってバラつきがあると考えられますが、一度は購入を考えたユーザーのあと一歩を後押しできれば、これまでの機会損失が売上に変わります。
2. すぐに導入できる
ほとんどのカゴ落ち対策ツールは、ベンダーから提供されるタグをサイトに設置するのみで、機能追加が完了し、すぐに運用を始めることが可能です。配信するリマインドメールを作成すれば、あとは自動でメール配信が行われ、各種データ計測も開始されます。
カゴ落ち対策ツールの選び方・比較ポイント
自社ECサイトにカゴ落ち対策ツールを導入する目的を明確にし、以下のポイントを押さえて比較検討を進めましょう。
- カゴ落ちの対策範囲
- メールの配信条件
- 費用・料金体系
1. カゴ落ちの対策範囲
ツールを活用したカゴ落ち対策は、大きく下記の2パターンに分類されます。
- 離脱ユーザーへの購入リマインド
- カートやサイトからの離脱防止
離脱ユーザーを購入に結びつける機能としては、リマインドメール配信のほか、アプリやブラウザのプッシュ通知機能が挙げられます。
一方で、ECサイトからの離脱は、そもそも決済フォームやWebサイトのUI/UXが原因となっていることも考えられますが、カゴ落ち対策ツールでできる対策としては、離脱を呼び止めるクーポンや購買訴求メッセージのポップアップ表示機能があります。
多くは、離脱したユーザーに対するメール配信を主軸として機能を展開していますが、機能数に比例して利用料金が高くなる傾向があるため、自社のカゴ落ち課題に応じて必要な対策機能を見極めましょう。
2. メールの配信条件
離脱したユーザーへの自動メール配信は、基本的にどのカゴ落ち対策ツールにも付帯していますが、ツールによって配信できるメールの種類や設定可能な配信条件が異なります。
カゴ落ちから15分後、1時間後、翌日、2週間後といったように、リマインドメールの配信タイミングを細かく設定できるほど、試行錯誤を繰り返す過程でカゴ落ち施策を最適化しやすくなります。
そのほか、カートに入れた商品やカゴ落ち前の行動から分類したユーザーセグメントごとに、適切な内容やタイミングで配信する「セグメンテーション機能」、ステップメール(ある起点からスケジュールに沿って段階的に配信するメール)の「シナリオ設計」など、メール配信のカスタマイズ性はツールによって大きく差が出るところです。
ただし、細かい設計が可能であるほど、メールマーケティングの知見や経験が求められるため、自社の人材で現実的に運用可能なツールを選ぶことを優先しましょう。
3. 費用・料金体系
カゴ落ち対策ツールの料金体系には以下の2パターンがあります。
- 月額制:配信メールの上限数や搭載機能で決まる固定月額
- 従量課金制:配信メール上のURLクリック数ごとの課金
いずれも初期導入費用がかかることが多く、その後のランニングコストと見込まれる成果のバランスを見て、自社サイトのカゴ落ち課題を解消できるツールを選ぶ必要があります。
メール配信数が少なければ従量課金制の方がコストを抑えられますが、想定以上にカゴ落ち件数が多かった場合は月額プランの料金を超えてしまうことも考えられます。