問い合わせ管理システムは、さまざまなチャネルにおける顧客からの問い合わせを社内で統合し、問い合わせ案件やそれに紐づく顧客情報を一元管理できるシステムです。
主に、下記のような機能を備えています。
- 複数チャネル(メール、問い合わせフォーム、LINE、SNSメッセージなど)の統合管理
- 顧客情報(個人情報、問い合わせ内容、過去の対応履歴など)の一元管理
- 案件のステータス表示(未対応、対応中、解決済みなど)
- 対応オペレーションのデータ分析・レポーティング
以下、問い合わせ管理システムについて、それぞれの特徴や機能、契約プランを紹介します。製品の選定に際して、具体的な機能や活用方法、選び方などの詳細を確認したい方は、選定ガイドをご参照ください。
本記事では、問い合わせ管理システムについて、その役割や製品比較のポイントを解説しています。
問い合わせ管理システムとは
問い合わせ管理システムとは、顧客からの問い合わせや、それに紐づく顧客情報を一元管理できるシステムです。Webサイトの問い合わせフォームやチャットボット、メール、LINE・Facebook・TwitterといったSNSなど、さまざまなチャネルからの問い合わせを社内で統合・共有することができます。
各案件が担当者や担当部門に依存することがなく、システムにログインしさえすれば問い合わせ内容やリアルタイムでの対応状況が閲覧可能です。情報共有のタイムラグや対応漏れがなくなることで、問い合わせ管理オペレーションの効率化を図ることができます。
問い合わせ管理システムでできること
問い合わせ管理システムの特徴的な機能・役割は、主に3つあります。
- 複数チャネルの統合
- 案件プロセスの可視化
- 分析・レポーティング
1. 複数チャネルの統合
問い合わせ管理システムでは、複数チャネル(メール、問い合わせフォーム、SNS、チャットなど)の問い合わせを一つのシステム上に集約して管理することができます。
企業が顧客との接点を増やすにつれ、顧客から企業への問い合わせ手段も多様化していきます。それぞれ別の窓口に問い合わせが分散すると、「この案件はどの部署の誰が対応したのか」「過去に対応履歴がないか」といったことが不明瞭になりがちです。また、担当者同士での情報共有にどうしてもタイムロスがあるため、重複対応が発生しやすくなります。
大量かつ複数チャネルの問い合わせが一つの問い合わせ管理システム上に統合されれば、複数の管理ツールを行き来することなく、適正な案件対応や情報管理を行うことが可能です。システムにログインしさえすれば常に最新版の情報を確認できるため、変更や進捗に応じて都度の情報共有や認識合わせの手間も省かれます。
2. 案件プロセスの可視化
問い合わせ管理システムでは、案件ごとの「未対応」「対応中」「解決済み」などのステータス表示によって、「誰がどの案件をどこまで対応しているか」をひと目で把握できます。個々が「今、誰が何をすべきか」を確認しながら案件に取り組むことで、チーム全体の生産性向上にも繋がるでしょう。
また、管理者は、担当者の稼働状況や全体の進捗を俯瞰的に見て、状況に応じて対応の優先順位付けや、担当者の指定を行うことができます。搭載機能にもよりますが、問い合わせ種別や顧客の属性、件名や本文中の特定キーワードなどから事前に条件指定を行い、優先表示や担当者の振り分けを自動化することも可能です。
3. 分析・レポーティング
問い合わせ管理システムは、問い合わせ状況や担当者の稼働状況をモニタリングし、業務オペレーションの改善に役立てることができます。
各担当者の案件処理数や所要時間、チャネルごとの問い合わせ内容や顧客属性の傾向、時間帯別の問い合わせ件数など、分析したい指標に応じたグラフ化やレポート作成が可能です。
問い合わせ管理システムの選び方・比較ポイント
問い合わせ管理システムの導入課題は、情報共有やコミュニケーションのタイムロスをなくし、現場が運用しやすいシステムを選定することです。比較検討のポイントとしては、下記の3点が挙げられます。
- 対応チャネル
- 目的に合った機能
- システムの操作性
自社の業務オペレーション課題や運用環境などを整理し、導入目的を明確にした上で、それぞれのポイントを押さえた比較検討を進めていきましょう。
1. 対応チャネル
問い合わせ管理システムの強みの1つに、「複数チャネルからの問い合わせの統合管理」がありますが、製品タイプとしては、大きく「Eメール特化型」と「複数チャネル対応型」の2タイプに分類されます。
Eメール特化型は、予約受付や決済なども含め、各種フォームからの問い合わせをメール対応に集約し、顧客とは引き続きメールでのやり取りが中心となる業務体制に適しています。案件ステータスや対応履歴の一元管理、集計レポートなど機能を持ちながら、システム導入に現場が順応しやすいように、従来のメールソフトのようなデザインが多いことも特徴です。
複数チャネル対応型は、メールのほか、電話やチャット、TwitterやLINE公式アカウントなど、さまざまなチャネルからの問い合わせを一括管理することができます。ECサイト事業では、Yahoo!ショッピングや楽天市場などのECモールと連携できるものを導入することで、モールからの問い合わせにも各種専用アプリを開くことなく、ほかのメールと同じように一括管理することが可能です。
利用できるチャネルやWebサービス、業務システムは、製品の提携先によって異なるため、自社の問い合わせ窓口を洗い出し、運用体制に合ったものを取捨選択するようにしましょう。
2. 目的に合った機能
問い合わせ管理システムは、問い合わせの情報管理を起点とする総合的な顧客対応ツールでもあり、製品によって、カスタマーサポート業務のカバー範囲や提供されるソリューションはまちまちです。
製品の選定に際しては、問い合わせ管理の業務オペレーションにおいて、現状課題の解決にどういった機能が必要になるかをあらかじめ整理しておく必要があります。
たとえば、対応漏れや重複対応などのミスの多さを最優先で解消すべき課題であれば、案件の進捗ステータスがわかりやすく、担当者の自動振り分け、未対応案件の優先表示やアラートが対策機能となるでしょう。
また、業務フローや人員配置の最適化を目的とする場合、「どういった内容の問い合わせのどの対応フェーズで業務が停滞しているのか」といった現場の状況把握が重要になります。分析に必要な指標を取得できるか、施策の効果検証や前後の比較はしやすいか、分析やレポーティングのダッシュボード機能をチェックしておきましょう。
3. システムの操作性
問い合わせ管理の業務効率に大きく影響するのが、コミュニケーションツールや情報共有システムの使いやすさです。デモ版や試用期間を活用して、管理画面の見やすさや情報登録の手順などをひと通り確認しておきましょう。
オペレーターとして派遣社員やアルバイトスタッフを採用する場合、また人材の出入りが多い場合などは、都度教育コストがかからないよう、システムの付帯機能を必要最小限に抑えて運用するのも一手です。
多機能・高性能なツールでも、現場の担当者が使いにくいと感じれば生産性は下がってしまうため、管理者視点だけで使い勝手を判断しないように注意しましょう。



