タレントマネジメントシステムを導入することで、従業員の能力を最大限に引き出すための分析ができ、より最適な人事配置・育成を行えます。
以下、タレントマネジメントシステムについて、それぞれの特長や機能、料金プラン、導入レビューを紹介します。そのほか、サービスの導入メリットや選び方などの詳細を確認したい方は、選定ガイドをご参考ください。
タレントマネジメントシステムを導入することで、従業員の能力を最大限に引き出すための分析ができ、より最適な人事配置・育成を行えます。
以下、タレントマネジメントシステムについて、それぞれの特長や機能、料金プラン、導入レビューを紹介します。そのほか、サービスの導入メリットや選び方などの詳細を確認したい方は、選定ガイドをご参考ください。
タレントマネジメントシステムを導入したいと思っているけど、具体的に何ができるのか分からずに困っていませんか?
タレントマネジメントシステムは、あらゆる人事戦略を最適化できるツールです。人材データの一元化や目標管理、全自動シミュレーションや適性検査などの機能を搭載していますが、機能が多い分選ぶのが大変です。そこで本記事では
などを紹介し、自社に一番合うツールを探すための選び方を徹底解説していきます。
タレントマネジメントシステムとは、採用や育成、配属などあらゆる人事戦略を最適化できるツールです。具体的には、マネジメントを実現するために、あらゆる人材データを一元管理し、企業の経営戦略を実現するための人材開発と人材活用を行うソフトウェアを指します。
そもそも、タレントマネジメントとは、従業員が持つ能力やスキル(タレント)を最大限に生かし、組織のパフォーマンスを最大化するための人材マネジメントの手法です。そのため、タレントマネジメントシステムには、戦略的に人材育成・配置を行うための機能を搭載しています。
人事管理システムとの違いは、搭載している機能が違うだけでなく、導入目的も異なります。主にタレントマネジメントシステムでは、対応している機能の幅がとても広く、経営戦略のための人材開発と人材活用を目的としています。しかし、人事管理システムでは勤怠や給与などの管理を行っているため、経営戦略に直結するものではありません。
タレントマネジメントシステムを導入する目的としては、人材のスキルを最大限に向上させ、より戦略的に事業を行っていくことです。そのため、タレントマネジメントシステムを導入する目的を決める際には、まず自社の抱えている課題を明確にします。たとえば「ペーパーレス化を行い、データベースで社員の実績や目標を一元管理したい」などです。
この時、いきなり多くの目的を同時に解決するのではなく、優先順位を決めていくことが重要です。タレントマネジメントシステムには、さまざまな機能があるため、自社でどのような課題を抱えているかと照らし合わせて選ぶようにしましょう。
データベースで社員の情報管理を行うことで、社員の業務効率化を進められます。たとえば、人事以外の社員が閲覧できるよう、上長・社員など細かく権限設定が可能です。さらに、蓄積したデータを容易に分析しやすくなるため、現在の課題を洗い出し今後どのように改善していけば良いのかを明確にできます。
タレントマネジメントシステムには、適性検査やアンケートなどの機能が備わっているものもあり、従業員が現在抱えている課題や思いなどを把握できます。そのため、人材を適切な場所に配置し課題の改善も同時に行うことができ、従業員のエンゲージメントが向上可能です。さらに、社内コミュニケーションを活性化させる機能や、従業員の離職予兆を教えてくれる機能もあります。
従業員のキャリアプランをもとに、人材移動のシミュレーション機能を活用することで、より適切な人事異動を行えます。さらに人件費やスキルといった、さまざまな情報を照らし合わせながらシミュレーションできる機能もあるため、人事異動を検討する際にも非常に有効です。
タレントマネジメントシステムの活用で、人事評価の集計作業を自動化できるため、人事評価に関わる社員すべての生産性向上に役立ちます。さらに評価の基準を明確化でき、客観的かつ正当な人事評価を行えるのが特長です。そのため、ブラックボックス化しやすい評価基準やプロセスが可視化され、従業員のモチベーション向上にもつながります。
採用管理を効率化することがメインであれば、タレントマネジメントシステムよりも「採用管理システム」を導入するのがおすすめです。その一方で、タレントマネジメントシステムを使うと、在籍している社員の傾向をデータ化できるため、現在採用するべき必要な人材像を洗い出すことが可能です。タレントマネジメントシステムを企業の採用活動に活用したい場合、そういった機能が備わっているかどうかもチェックしましょう。
タレントマネジメントシステムには、人材の実績やキャリア、スキル、評価などを登録していきます。そのため、登録した人材情報をもとにリーダーや後継者になりうる人材かといった、管理のできるツールがあるとより、精度を高くマネジメントを行っていけるでしょう。
さらに、アンケートや適性検査を行い、従業員一人ひとりに合った育成計画や目標管理などを行うことで、より戦略的な人材開発を行えます。このように、タレントマネジメントシステムをうまく活用することで、より効率的かつ正確にマネジメントを行っていくことが可能です。
タレントマネジメントシステムを選ぶ際には、「会社規模」「人事評価制度」「人材データベース」「業務範囲」「サポート体制」の5つのポイントを押さえて選ぶことが大切です。
1000人を超える大企業であれば、さまざまな働き方の従業員に対応できる、多様なカスタマイズに対応できるオールラウンドタイプのシステムを選ぶのがおすすめです。また、中小企業は初期コストを押さえられる、人数単価で課金されるタレントマネジメントシステムの導入を検討してみてください。
自社で既に使っている人事評価制度があるのであれば、タレントマネジメントシステムとの相性が良いかも選び方の1つです。具体的には、人事評価制度には、目標管理(MBO)や360度評価、バランス・スコアカードなど、さまざまなものがあります。そのため、自社で使っている人事評価制度とシステムがマッチしているのかは必ず確認しましょう。
人材データベースには、従業員のプロフィール検索やスキル管理といった、さまざまなデータを登録できます。そのため、自社で管理している情報が管理しやすいか、扱いやすいかといった点は要チェックです。製品によっては名前だけではなく実際に顔写真を登録して管理できるものもあるため、どのような人材がいるか一目でわかるものもあります。
タレントマネジメントシステムには、バックオフィス業務を効率化できる機能も備わっているため、目的に合った機能が備わっているか確認しましょう。たとえば、製品の中には、従業員の履歴書をPDF化してデータベースに登録できるものがあります。そのため、よりデータ管理を効率化したいのであれば、効率化できる機能についても確認してみてください。
システムを導入してからは、情報の記入方法や設定、操作などに躓くことが多いため、サポート体制が整っているのかも重要です。タレントマネジメントは、最初に社員のデータベースを作成する必要があります。どんな項目を用意すればいいかなど専門的な知識を必要とするため、担当者が作成のサポートをしてくれる製品であれば安心できます。
また、製品の中には、導入後のサポートとして、運用から分析までサポートしてくれるものがあります。そのため、タレントマネジメントの手法に関してもサポートしてもらいたいのであれば、サポートの対応範囲も確認しておくと良いでしょう。
タレントマネジメントシステムを導入する、3ステップについてご紹介していきます。
タレントマネジメントシステムを導入する際には、どういった目的をもって導入を検討しており、どのような機能が欲しいのかを明確にします。たとえば、「人材の育成を強化したい」ので、目標管理のできる機能が搭載されたものを導入するなどです。このように、目的を明確にすることで、どのような機能が必要なのかが分かるため、効果的に課題解決を行えます。
目的が定まっていない方は、「タレントマネジメントシステムの導入目的」をご確認ください。
すでに給与管理や採用管理などの人材管理関連のシステムを導入しているなら、システム連携できるかも確認しましょう。システム連携ができれば、さまざまな業務をまとめて管理できるため、より業務効率化につながります。また、製品によっては、マネジメントに関するサポートも行なっているため、目的に合わせてサポート体制も確認しましょう。
タレントマネジメントシステムは、さまざまな機能を搭載している製品が多くあるため、まずはデモやトライアルで活用をしてみてください。いきなり導入してしまうと、想定していた使い方ができなかった場合コストの無駄が発生してしまうので、まずは複数の製品をトライアルで利用し、自社に合った最適なものを選ぶようにしましょう。
初めてタレントマネジメントシステムを導入するのであれば、導入実績の多いシステムを選ぶと安心です。
カオナビは、人材データベースや社員リスト、評価ワークフローなど、マネジメントを行う際に必要な機能を豊富に揃えています。配置バランス図では、実際の社員の顔を見ながら適正社員を視覚的に選べる機能を搭載しているのが特長です。
SAP Success Factors Talent Solutionsでは、採用管理やオンボーディング、パフォーマンス管理など、マネジメントに欠かせないシステムを提供しています。さらに後継者管理と育成機能も搭載しているため、役職持ちの従業員を育てるための目的としても活用可能です。
大企業での導入を検討しているのであれば、複雑な組織体制に対応できるタレントマネジメントシステムの導入がおすすめです。
HRBrainは、人材データの一元管理から人員配置の最適化、の1on1ミーティングなど、さまざまな機能を搭載しています。さらに組織ツリーや組織分析も用意があるため、可視化された情報をもとに人材の適正配置を行えるのが特長です。
タレントパレットでは、人材データを分析して組織力を最大限にアップできるようなシステムを提供しています。コンサルタントによる「科学的人事」のサポートや勉強会を受けられるため、課題に合わせた解決方法を提案してもらえます。
HITO-Talentは、人事部門と共同開発したシステムを搭載しているため、現場目線で作られた機能が用意されています。そのため、自社にあったカスタマイズができ、視認性や処理速度の高さで多くの支持を受けているのが特長です。
小〜中小企業であれば、シンプルな機能で使いやすく、コストが抑えられるタレントマネジメントシステムがおすすめです。
KING OF TIME人事労務は、従業員の氏名や住所などの基本的な情報は、テンプレートが用意されているため入力するだけで使えます。さらに、更新したデータは履歴管理機能で「更新日付」と「適用日付」が確認できるため、いつ更新されたのかが確認可能です。
CYDASは、人材データ管理や評価制度のほか、従業員の働きがいを作れる機能を搭載しています。たとえば、サンクスカードを送る機能や、本のシェアや書籍ランキングを搭載した読書サポート機能など、社員同士のコミュニケーションにも活用できます。
ここでは、おすすめのタレントマネジメントシステムを目的別に紹介します。
目的 | おすすめツール | 製品の特長 | 料金 |
紙ではなくデータベースで社員情報を管理したい・社員を育成したい | ・カオナビ | ・カスタマイズ性が高く、使いやすい ・業界別のテンプレートが用意されている ・顔写真の登録が可能 | 要問合せ (機能によって3プランから選べる) |
・KING OF TIME人事労務 | ・PDFファイルのアップロードが可能 ・エクスポート機能で、給与に必要なデータを取り出せる ・勤怠管理システム「KING OF TIME」と連携可能 | 100円~/1ユーザー | |
・SAP Success Factors Talent Solutions | ・40言語をサポートしているためグローバルに対応 ・ラーニング機能を提供している | 要問合せ | |
社内のコミュニケーションを活性化させ、社員の離職を阻止したい | ・CYDAS | ・サンクスカードの送信機能 ・読書サポート機能で、社員の読書を習慣化 | 要問合せ |
・HR Ring(旧名:カケハシboarding) | ・システムによる、従業員へのコンディション確認機能を搭載 ・アンケート機能でさまざまな情報を取得可能 | 2.2万円~/51~100名で利用する場合 | |
優秀な人材を発掘し、人事異動のシミュレーションがしたい | ・タレントパレット | ・社員や組織のデータ分析機能が豊富 ・蓄積したデータを使い、人事異動や人材発掘に役立てられる | 要問合せ (社員数によって変動) |
人事の評価制度を最適化したい | ・HITO-Talent | ・目標や評価管理機能を搭載している ・自由に設問を作って評価できる360度サーベイを搭載 | 要問合せ |
・HRBrain | ・導入後の効果検証といったサポート体制が充実 ・ロードマップの再設定にも対応 | 要問合せ | |
採用管理を効率化したい | ・Cornerstone OnDemand | ・オンボーディング機能で採用活動を効率化できる ・社内向けトレーニング機能を搭載 | 要問合せ |
タレントマネジメントシステムの活用事例を2つ紹介します。自社の課題に類似した事例があれば、導入の参考にしましょう。
自動車メーカーHondaグループ企業の株式会社ホンダロジスティクスは、社員の平均年齢が高齢化するに伴い、今後大量の定年退職が予測できており、若手社員ならびに新卒社員の早期育成を実現する体制構築を急いでいました。また、海外事業の拡大を見据えたグローバル人材の育成に向け、タレントマネジメント体制の整備をスタートしました。
適切なジョブローテーションを通じて若手を育成しつつ、各事業部門にも納得のできる異動・配置を行うため、同社は『カオナビ』の導入に踏み切ります。
まずは各拠点の管理部門の課長がすぐに社員の情報に触れられるように、これまでエクセルで管理していた社員情報をすべて「カオナビ」に移行し、社員情報の「見える化」を行ないました。所有資格まで登録することで、スキルマップの整備、会社が求めるキャリアステップの要件定義、育成管理を行なっています。
事例の詳細は、カオナビの事例ページをご覧ください。
⇒全社員の資格情報を「見える化」。新卒社員のリテンションにも役立てるホンダロジスティクスの「カオナビ」活用術
複合メディアショップ「ゲオ」をはじめ約1,900店舗を有する株式会社ゲオホールディングスは、リユース事業の戦略達成を支援するため、店長として活躍できる人財を出店計画通りに用意する課題がありました。
店長として活躍できる人財の要件を定義するとともに、ハイパフォーマーの特徴を特定するため、同社は『HITO-Talent』の導入に踏み切ります。
クラスター分析を行い人財の特性を10タイプに分類したところ、特定のタイプにハイパフォーマーが数多く分布しており、上位階層になるほど、その傾向がより顕著になっていることがわかりました。
一人ひとりの事業適性、意欲、スキル情報、商品知識、上長コメントなどの人財情報を月次で収集・更新し、社員登用やリーダー層の発掘につなげています。
事例の詳細は、HITO-Talentの事例ページをご覧ください。
⇒店長の人財タイプを10に分類し、ハイパフォーマー店長の特性を分析、明確化。人材発掘やリ テンションに活用。
タレントマネジメントシステムを導入することで、人事管理を効率化しつつ、従業員の離職率を下げるための改善が行えます。さらに、従業員一人ひとりの情報を一元管理することで従業員のスキルや希望に合わせて、最適な人事配置を行うことが可能です。
ただし、タレントマネジメントシステムには、さまざまな機能を搭載したものが多く販売されているため、課題や目的に合わせて機能を比較する必要があります。そのため、まずは自社の課題や目的を洗い出し、欲しい機能を搭載しているシステムを探すようにしましょう。
タレントマネジメントシステムとは、従業員のさまざまなデータを一元管理し、スキルや経験に合った人材育成・配置を行えるツールです。目標管理や適性検査といった機能も搭載されているため、潜在的な能力を図るための分析や管理を行えます。
また、タレントマネジメントシステムを導入することで、「人材開発(育成・教育)」「人材配置」「定量的な評価」「採用計画」の強化や業務効率化を図ることが可能です。
主な機能は、以下のとおりです。
・人材データベース(従業員基本情報管理)
・リーダー、後継者管理
・人事評価管理
・スキル・実績分析
・コンピテンシー情報管理
・育成計画管理
・目標管理、パフォーマンス管理
・スコアリング
・人事異動シミュレーション
・アンケート、適性検査
タレントマネジメントシステムを選ぶ際には、以下のステップに沿って選んでいきます。
1.企業規模 │ 多様な社員やチーム編成に対応できるか
2.人事評価制度 │仕組みとの相性が良いか
3.人材データベース │ 情報管理しやすいか
4.業務範囲 │目的にあった機能が備わっているか
5.サポート体制 │ 導入後のサポートが充実しているか
詳しくは、「タレントマネジメントシステムの選び方」をご覧ください。自社の運用体制とマッチしているのかは、長期的な運用を考えていく上で非常に重要です。そのため、使い勝手や欲しい機能があるのかは、必ず確認しておきましょう。
また、 製品についてのサポートだけでなく、運用方法についてサポートもしてくれるものであれば安心です。コンサルタントによる、目標の設定や効果測定を行っている製品もあるため、運用方法に不安がある方は、併せて確認しておくことをおすすめします。